日経DUALスタッフが挑戦した、コマ切れ時間を逆手にとってモヤモヤ感を達成感に変える大作戦。第3回には3歳の女の子を育てるママ編集者が登場します。「育児や仕事で時間が足りないと、つい掃除・片付けは後回しになりがち」という編集Y。「荒れた室内にイライラし、このままでは娘も“汚部屋ガール”にならないか不安でたまらない」と言います。掃除片付けを習慣化するために、最小限の努力で最大限の効果がある方法にトライしました。

【モヤモヤ→達成感 コマ切れ時間★超活用】
第1回 日経DUAL羽生編集長、コマ切れ時間の活用術!
第2回 編集Hが気が散る在宅勤務を30分+5分で集中!
第3回 編集Yが汚部屋を毎朝5分整頓の習慣化に成功! ←今回はココ
第4回 編集Fがテレビ子守の罪悪感を1分声がけで満足!
第5回 編集Fがその場しのぎ献立を20分買い物で改善!

3歳の娘、夫の3人暮らし。在宅で仕事をすることも多い。娘と共に夜は21時前に寝て、朝は5時前に起きる。
3歳の娘、夫の3人暮らし。在宅で仕事をすることも多い。娘と共に夜は21時前に寝て、朝は5時前に起きる。

 私は片付けと掃除が大の苦手です。でも、散らかった状態は決して好きではなく、部屋を見回すたびに、自己嫌悪に陥り、イライラ。在宅仕事の際も、荒れた状態が常に目に入るので「片付けなきゃ」「掃除しなきゃ」と集中力を欠いているのを実感しています。

 加えて、娘はどんどん汚す、散らかす。床が散らかると、ルンバもかけにくくなる。園から持ち帰るお便り類、制作物もどんどん増殖。もともと苦手だったのに、娘が生まれたことで、さらに掃除片付けのハードルは高くなりました

 そして、もう一つの大きなモヤモヤは、このままでは、娘の教育上よくないのではないかという不安です。このままでは娘が“汚部屋ガール”に育ってしまうのではないかという恐怖感で“ダブルモヤモヤ”に。娘に「おもちゃを片付けなさい」などと口では言ってはいるものの「自分もできてないくせに、説得力ゼロだわ…」と自己嫌悪。負のスパイラルにどんどん陥っています。

 仕事と子育ての両立で絶対的に時間は足りません。やるべきことの優先順位をつけるのが得意になってきたおかげ(!)で、緊急性の低い「掃除片付け」は堂々の最下位にランクされてしまっています。「週末にまとめてやろう」と決めて、平日からそれを考えて憂鬱になっているくせに、現実は仕事が入ってしまったり、子どもと遊んでしまったり、出かけてしまったりして週末にやらないで終わることもあります。

 「モノの定位置を決めて、出したら戻す」。片付けの大原則はこれです。そして「汚れがついたら除去する」。これが掃除の大原則です。理論はよく分かっていますが、続かない。つまり、習慣にできていないのです。忙しくても、共働きでも、子どもが何人いても、家をきれいに保っている人は掃除片付けを「習慣化」しています。私も習慣にしたい。でも、こんな時間のないドタバタ生活で新しい習慣を加えることは可能なのでしょうか。考えただけでもクラクラしてきます。そこで、最小限の努力で最大限の効果を得られる方法を追求することにしました。

 ■ 片付けと掃除を習慣にしたい
 ■ 娘に自信を持って「片付けなさい」と言いたい

 ■ 朝5分の食卓リセット習慣法
 ■ 朝10分のタイマー片付け習慣法

 まず過去の自分を振り返ってみました。訪問者が来る(いつも片付いてないので当然、来客は苦手)と決まって真っ先に片付けるのはどこでしょう。食卓の上です。部屋に入るとまず目に入る場所で、かつ面積が広い。ここがスッキリしていると、部屋全体が片付いて見えるという実体験があります。

 これまで数々の片付け本、家事本、暮らし本の類を読んできましたが、それらには「食卓の上の状態は心や頭の中の状態を表す」「目立つ場所を必ず片付けてキープすると、よい影響が部屋全体に波及する」などの教えが書いてありました。

美しい暮らしをしている人々の本はたくさん読んだ。まねしたくても続かない…
美しい暮らしをしている人々の本はたくさん読んだ。まねしたくても続かない…

 これらの本の影響か「使っていないときに食卓の上を常に何もない状態にする」というのがいつのまにか私の中で理想のスタイルになっていました。では現実はどうでしょう?

 食卓の様子をリポートすると、お茶の急須と湯飲み2つ、子ども用水飲みコップ、鍋敷き2つ、子どもが夜ごはんにかけたふりかけの袋、食品宅配のカタログの束、園だより、新聞、お箸たて&スプーンたて、娘がプレゼント(?)してくれた折り紙製の謎の物体、などが林立しています。わが家の食卓は正方形ですが、対角線を引いて半分の三角形部分にモノがぎっしり載ったまま、残り半分の三角形で食事をする光景など当たり前です。これが心と頭の中の状態を表すというのなら、私のそれは大荒れ状態です。

 まずは憧れの「食卓の上に常に何もない状態」をキープしてみよう。そう心に決めました。しかし、何度も挫折した経験がある私。ある日、書店で『30日で人生を変える「続ける」習慣』という本を手に取りました。習慣化とは「自分が続けたいと思っていることを、意思や根性に頼らず、毎日のハミガキのように楽々続く状態に導くこと」と書いてあるではないですか! これこそまさに私の理想とする姿です。習慣化にメソッドがあるなら試さない手はありません。

 著者は古川武士さん。肩書きはその名も「習慣化コンサルタント」となっています。古川さんは、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立し、企業や個人を相手にオリジナルの習慣化理論を教えているとのこと。著書は現在16冊。なんと中国・韓国・台湾などでも翻訳され、日本だけでなくアジアにも「習慣化」のメリットを伝道しているとのこと。期待が高まります!

<次のページからの内容>
・三日坊主はむしろ当たり前だった
・むしろ◯◯の儀式にしてしまえ!?
・マインドをお猿さんからチーターへ
・実はメンタルの問題だった!
・本当に私でも続けられるの?
・食卓スッキリの波及効果はいかに