事業回復の陰ですれ違う夫婦。けんかが絶えず、離婚を決意
「ビジネスは約束がすべてという世界です。思い返せば、知らず知らず、私は夫婦の間にもそのルールを持ち込んでいました。約束を破ったり、毎晩帰宅が遅かったりする長谷川さんに対して、私は毎日イライラカリカリしていました。長谷川さんは何も言わずに、ふといなくなってしまうこともしばしば。その訳を問い詰めると『単に一人になりたかっただけ』、と一言。がんじがらめになっていた当時の私には、そんな言い訳が理解できるはずもありませんでした」(阿久津さん)
ぎくしゃくした関係を解消するために離婚を選んだ二人。ところが夫婦としては破綻したものの、ビジネスパートナーとしての相性は互いに以前と変わらず申し分ない。職場ではおしどり夫婦と言われ続けたほど。2人の子どもを母親としてしっかり育てたいと決めていたので、別れても仕事でのパートナー関係は解消せず、一緒に働き続けることを選択。周囲の人は「どうせ長くは続かない。お金のことで絶対もめるに決まっている」と噂していたそうですが、ビジネスパ―トナーとしての良好な関係は現在に至るまで円満です。見逃せないのは離婚後も以前と変わらず同じ家に住み、一緒に子育てをする暮らしを続けたこと。