4歳になるひとり息子を、芥川賞作家夫婦で育てながら超多忙な日々を送る川上未映子さん。仕事、お金、子育て、美容。健康、暮らし、人間関係。しあわせやよろこびだけでなく、おそろしいこと不安なこと、そして思わず、びん詰めならぬゴン詰めたくなる世間のあれこれを綴ります。人気コラム『川上未映子のびんづめ日記』シーズン2、全16回でお届けする第7回目のテーマは、「ストレス」です。

 ストレスがときに命を脅かす、それは昔から知ってはいるけど最近すごく我が身にしみて、ぜんぜん他人事じゃないんだよね……今日もフレシネを飲んで考えた。

 どの人生にもストレスはつきもので、誰だって、決して無縁ではいられない。けれど、今現在、それがどれくらい溜まっているかなんて客観的にはわからないし、「くよくするな」「適度に休め」とか言われても、それができれば苦労はしない。決して消えはしないストレスと、具体的にはどうやって付き合っていけばいいのか、結局、やっぱりよくわからないのだ。日々のしんどさのあれこれには手の打ちようがない、というのが実際のところなんじゃないだろうか。

し、心臓が・・・!

 でもある日。とうとう、のっぴきならないことが起きてしまった。

 あれは去年の10月、土曜日の朝のこと。いきなり胸が痛くなった。その日は朝からばたばたしていて、ふうふう言いながら午前中にピアノの搬入作業を終えたあと、「どれ」なんつってわたしの18番、「猫ふんじゃった」を披露した直後に、それは起きた。

 何のまえぶれもなく、ちょうど心臓のあたりが万力でぎゅうっと押しつぶされるような冗談みたいな激しい痛みで息ができなくなり、そのまま動けなくなったのだ。鍵盤に手を置いたまま、夫に「胸が、胸が……」とつぶやくことしかできず、いきなり目の前で人がこんなんになって、夫は当然のことながら何が起こったのか理解できないみたいで、そりゃあそうよね、「えっ、えっ、どうしたんだろう、猫ふんじゃった、気合入れすぎた? えっ、えっ」とか言っておろおろして、「そ、そんなわけないやろ」と頭の中でつっこんだけれど、しかし痛みは本物で息も絶え絶え、救急車を呼ぶことになったのだった

先日、あまりの冷えにこちらを購入……高いな、と思ったけど、日割り計算してなんとか踏み切りました。膝下がまるっと入るので本当にありがたい……春になっても使っていそう。
先日、あまりの冷えにこちらを購入……高いな、と思ったけど、日割り計算してなんとか踏み切りました。膝下がまるっと入るので本当にありがたい……春になっても使っていそう。