第1回「胸が膨み始めたら備えを 初潮の前に子へ伝えること」で、女の子の思春期の始まりは、多くの場合「乳房」が発育することから始まることを聞きました。それでは、男の子の場合はどのような体の変化が見られるのでしょうか。
「脳下垂体から分泌される2種類の性腺刺激ホルモンの影響で、男の子は精巣のサイズが大きくなり始めることが、思春期のスタートラインです」とは、神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科科長の室谷浩二先生。代表的な体の変化として、次のようなことが起こると解説します。
思春期の分かりやすい体の変化の一つに、「身長の伸び」があります。「あくまで平均値ですが、思春期が始まると最終身長までのその後の伸びは、男の子は26cm、女の子は24cmと大体の予測をすることができます」と室谷先生。(身長に関する詳細については、次回解説します)
ここで、押さえておきたいのは、思春期が始まるタイミングや体の変化(二次性徴)には、個人差が大きいということ。室谷先生は、「女の子は男の子より平均で2歳くらい早熟ですし、『早熟な体質』と『おくて体質(ゆっくり大人になる)』とでは同じ性別でも4~5年の差があります。例えば、男の子の精巣が大きくなり始めるのは平均が11.5歳で、9歳~13歳ごろ。陰毛の発生は平均が13歳で、11歳~16歳ごろ。小学5、6年の時期は女の子は思春期に入っている場合が多いので、この時期はしばしば女の子が男の子よりも身長が高くなります。人それぞれの差があるために『周囲の子は体の変化(二次性徴)があるのに、自分にはない』と、悩んでしまう親子も少なくありません」と注意を促します。
神奈川県立こども医療センター 内分泌代謝科科長 室谷浩二先生作表
思春期の「早熟な体質」「おくて体質(ゆっくり)」「平均」の目安としては、その子の体格のほか、両親の過去の成熟パターンが参考になると、室谷先生。「両親とも早熟であれば、その子は恐らく早熟になりますし、両親ともにおくて体質であれば、その子はおくて体質である確率が高い。でも、父親は早熟だけれど母親はおくて体質だったといった場合、その子が早熟になる場合もあれば、その逆でおくて体質になる場合、真ん中に落ち着く場合と3つのパターンがあります。そういった情報も視野に入れつつ、お子さんの成長を温かく見守ってほしいですね」とアドバイスします
思春期、プレ思春期の“わが子の体の変化(二次性徴)”に対応するために、親として準備しておきたい態度とはどのようなものなのでしょうか?
次ページから読める内容
- 「うるさい、クソババァ」 反抗期への対処法
- 問題行動が起きたときこそ、親の真価が問われる
- 子どもの精通と自慰 親の心得
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