去る2月18日、日経DUAL主催の中学受験対策セミナー「自己管理できる中学受験生の育て方」が開催されました。講師は本連載でお馴染みの中学受験のプロ家庭教師・西村則康先生と、中学受験専門の個別指導教室SS-1代表の小川大介先生です。当日は午前に低学年の部、午後に高学年の部を設定。有料セミナーにもかかわらず、午前・午後計約140人が参加し、中学受験に対する関心の高さが伝わってきました。

講師と参加者、熱意あふれる双方の化学反応で、当初2時間の予定を各回30~40分もの延長で幕を閉じた本セミナー。受験のプロならではの実践的なアドバイスが満載だったセミナー内容の一部を、今回から全3回で紹介します。第1回は、既に中学受験の勉強がスタートしている4~6年生を対象に、「志望校合格を目指して、春から夏までにしておきたいこと」を学年別にお伝えします。

第1回 中学受験 4~6年生が夏までにしておくべきこと ←今回はココ!
第2回 親の“成功体験”が子どもの中学受験をつらくする
第3回 中学受験 子を伸ばす親の大事な3つの関わり

【4年生・春休み】 春期講習は「受けない」という選択もアリ

 2月の第2週、大手進学塾の新学期が始まりました。これから中学受験の勉強を始める新4年生にとっては、これまでと生活が変わり、親子ともに不安も多いことでしょう。

中学受験のプロ家庭教師・西村則康先生
中学受験のプロ家庭教師・西村則康先生

 「けれど、4月まではそんなに焦る必要はありません」と西村先生。

 「2~4月は塾の授業や新しい生活リズムに慣れるための期間。そのため、授業の内容も易しく、しっかりとした学習習慣を身に付けるのに最適な時期です」

 「春休みになると早速、春期講習が始まりますが、春期講習は2月の段階ではまだ中学受験を迷っていた子や、他塾との相性がイマイチ合わなかった子を入塾させるための新規取り込みの目的が強く、内容は復習が中心の塾が多い。簡単な問題に取り組ませることで、子どもに自信をつけさせるのです。そのため、現段階で順調に勉強が進められている子にとっては中身が薄く、必ずしも受講すべき講習ではありません。塾で時間を拘束されるのなら、家庭で基礎学習を定着させ、余裕があれば予習を進めておくほうが賢明でしょう」

 「ただし、塾によっては復習ではなく、先の学習へ進む場合もあります。講習の内容をよく把握して、取捨選択をしましょう」

 小川先生はこう言います。

中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生
中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生

 「今の時代、中学受験をするのなら、大手進学塾に通うことは不可欠です。なぜなら、大手進学塾には中学受験に必要なカリキュラムがすべてそろっているからです。しかし、そのすべてを網羅する必要はありません」

 「大手進学塾に通うようになると、塾からの指導や周りの影響もあり、講習はすべて受けるものと思い込んでしまいがちです。しかし、その中身を見ると、必ずしも受講すべき講習とは限りません。周りの子がみんな受講しているのに、うちの子だけ受けないというのは、勇気のいる選択かもしれません。しかし、周りの子は周りの子。あなたのお子さんと同じ学校を目指しているわけではないのです」

 「中学受験で大切なのは、わが子を中心に考えることです。わが子は今、何が理解できていて、何が理解できていないのか。理解できていないところを理解できるようにするにはどうしたらよいのか、お子さんの特性やクセをよく知り、お子さんにとっての対策を取るのです」

 「これから学年が上がるにつれ、塾からの宿題は増え、やらなければいけないことも多くなります。しかし、それらをすべてやれば成績が上がるというわけではありません。基礎が定着していない子に応用問題を解かせてみても、ほとんど意味がないのです。今、わが子に必要な勉強は何か? それを見極め、取捨選択することが大事です」

次ページから読める内容

  • 【4・5年生・1学期】 「積み残し」は祝日をうまく使って克服する
  • 【4・5年生・夏休み】 夏休みは勉強のやり方をシフトチェンジする
  • 【6年生・1学期】 “志望校に合格できる”勉強へ意識チェンジ
  • 【6年生・夏休み】 併願校は夏までに決める

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