落ちこぼれを出さない空気の中で、一緒に歩んでいく

 16ページほどの小冊子に、各ページにイラストと6~7行の文章が印刷されている。病気の選手の穴埋めとしてサッカー大会の決勝に出場したジェシカが、小柄な女の子とあってはじめは誰にも期待されないが…という物語だ。

 代わる代わる音読する子どもたちに、先生は1ページごとに「どうしてチームのみんなはみじめに思ってたのかな?」などと質問して、皆が物語についてきていることを確認しながら進行。ジェシカがゴールを決め、一躍英雄となる最終ページに到達した。

 全員すらすら音読していたが、その中の1人は1年前の入学テストではたどたどしい音読だったという。だが、分からない問題にも懸命に取り組んでいたのとスピーキングはできていたことで入学を許され、こつこつと学ぶうち、他の子たちに追いついたのだそうだ(入学テストでは、G2以上では相応の英語力が求められるが、G1では子どもの「学習意欲」と親の「情熱」があるかどうかがポイントとなり、アルファベットが読めるかどうかは問わない。そうはいっても、まったく英語に触れたことがないまま受験しても、意欲を見せる以前に子どもは驚いて委縮してしまうので、受験を決めたら“What’s your name?”“My name is~”の問答を練習するなど、試験日まで多少なりとも英語に親しんでおくといいようだ)。

 先生は手を挙げていない生徒にも均等に発言させ、脱落したり劣等感を抱いたりしないよう配慮していることがうかがえる。同じ目標の下、毎日顔を合わせているからか、生徒たちも男女の別なく打ち解けた雰囲気だ。

 彼らは普通の小学生と同じように日本の小学校に通い、放課後の時間、この国際小学部に平日は毎日(5日間)通っている。「昼間通っている日本の学校じゃなく、(素顔の)自分を出せるこの学校こそが僕の居場所」と言う生徒もいるという。


人差し指で文章を追いながら、子どもたちは3行程度ずつ、代わる代わる音読していく

「3年生クラス」はペーパーバックを読破

 Grade 2、Grade 3のクラスも覗いてみた。曜日によって時間割は異なり、木曜日には隔週で社会や理科も組み込まれているが、この日は2時限目に続いて3時限目も文学。Grade 2は男性の先生が見守る中、生徒たちは前の時間に引き続き、物語の理解度テストに取り組んでいる。

 一方、Grade 3クラスでは床の上に車座になって語彙学習。女優のように声がよく通り、表現力豊かな女性の先生が時折立ち上がり、アクションを交えて新語を説明している。

 その後に皆が開いたのは、米国の児童文学“Stuart Little”のペーパーバックで、Grade 1より格段に情報量が多い。全員で音読し、時折先生が“What is Stuart worried about?”などと質問。子どもたちがGrade 1のクラスよりさらにリラックスし、あぐらをかきながらも本の世界に引き込まれている姿が印象的だ。


木曜日には隔週で理科の授業も。昨秋のG2クラスでは光や屈折をテーマとした実験を連続して行った