ママが職場復帰すると、家族の生活リズムはガラリと変わります。保育園に通い始めた子どもだけでなく、ママもパパもストレスを抱えがち。専門家は「新生活に向けて、生活リズムを変えていく必要がありますが、生活リズムが身に付くまでは時間が必要。だから、ぜひ明日からでも始めてほしい」と言います。今回は、ママや家族みんながストレスなく新生活を迎えるために必要な心構えや準備についてお届けします。

【妊娠・職場復帰のママ・パパ/病気・ストレス・体】
(1)どうする?子どもの予防接種 知っておくべき基礎知識
(2)病気からわが子を守る 予防接種最新情報
(3)育休明け家庭が新生活でぶつかる疲労・ストレスと対策
(4)復帰前に始めたい生活リズムづくりと夫婦の役割分担 ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学生低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

新生活のストレスを軽減するために実践したいこと

● 生活のリズムをつくるポイントは「朝」

 ママが職場復帰を果たし、子どもが保育園に通うようになると、ママと子どもが日中過ごす環境や生活リズムは大きく変わります。今の時期に大切なのは、保育園通いを想定した新しい生活リズムでの生活を早めに始め、実際に保育園に通いだしたときには家庭の中に変わらないリズム、環境をつくっておくこと。子どもは、毎日同じ生活を繰り返しているほうが安定するといいます。

 とはいえ、1週間、朝から晩まで同じ生活を繰り返すのは無理。だから、「毎日決まった時間に、(できる限り)家族が一緒に過ごす」ことで、リズムをつくっていくといいでしょう。

 問題は、1日のうち、どの時間帯に「わが家のお決まり家族タイム」をつくるかということ。NPO法人孫育て・ニッポン理事長の棒田明子さんは「朝ごはんを、同じ時間に、家族一緒に食べること」を勧めます。

 朝ごはんの時間を整えれば、自然と起床時間も整い、生活リズムができていきます。「夜でもいいのですが、帰宅時間やイベントなど、日によって変わることが多くなりがち。でも、朝はだいたい決まっていますよね。パパが朝ごはんを食べないという家庭でも、5分でいいからパパも席に座り、家族全員が顔を合わせるようにしましょう」

 生活リズムを整え直すタイミングについて、棒田さんは「生活リズムを身に付けるには何度も繰り返すことが大事。だから、保育園が始まる1週間前ではなく、この記事を読んだ翌日の朝から始めるのがいいと思います」と話します。

● やり残しを解消する「リセット日」を作る

 保育園から家に帰るのは、夜の6時や7時。できれば9時前には子どもを寝かせたい。そうすると、子どものために使える時間は約2時間。超特急でごはんをつくって食べさせ、入浴、寝る前の準備、絵本読み聞かせなどをして子どもを寝かしつけた後、ママのエネルギーはほとんどゼロの状態に。その後で家事をしようとしても、なかなかすべては片付きません。その結果、「なぜ私はこんなにできないのだろう」と落ち込んでしまうことにもなるでしょう。

 そのストレスを解消するには、毎日の生活の中でやり残したことを一気に処理する「リセット日」を作ることがおすすめです。

 例えば、パパの会社が水曜日に「ノー残業デー」だった場合、パパに子どもの世話を頼み、ママはその日だけ残業して、仕事の遅れを解消したり、たまった家事をこなしたりするのもOK。「毎日忙しくて、愚痴をこぼす暇もないママは、このリセット日を使って、友人とごはんを食べたり、自分の時間を楽しんだりしてみては。リセット日を作ることで、日ごろできなかったことが消化され、ストレスも軽減します。ぜひ夫婦で話し合って、週に一度のリセット日をつくってください」

<次ページからの内容>
・ストレスをためないために、さらに実践したい2つのこと
・ピンチのときは誰に助けを求める?
・夫婦間で単純に役割を振り分けるだけではうまくいかない
・棒田さんの「大切にしたいこと。」とは?