すぐさま「熱発で幼稚園から呼び出し」が……

 ナント滞在中は、主に夫とLINEでやりとり、子どもとfacetimeで電話という日々だった。パリのシャルル・ド・ゴール空港でトランジットしていたとき、早速夫からLINEが届く。「虎、熱発で幼稚園から呼び出し」。え~? なんで私がいなくなるやいな、これ。「以前も1泊2日の国内出張の時に呼び出しかかったなぁ」と記憶がよみがえる。直前に耳鼻科に行って薬をもらってあるので大丈夫とは思うが。夫に薬のありかをLINEする。あぁ、本当は薬も分かりやすいように置いてきて、1週間のスケジュールとやるべきことも書いてこようと思ったのに、そんな時間がなかったことが悔やまれる。その後、すぐに熱は下がり、翌日も休まずに幼稚園に行ったと連絡があり、ほっとする。

 出だしでつまづいた1週間だったが、その後は父子で楽しそうにやっているらしかった。虎とのfacetimeでは、「今日ね、間違えてお弁当持って行っちゃったの。だから、今、給食食べてるの」という楽しそうな報告が。どうやら、給食の日なのに、夫がはりきってお弁当を持たせてしまい、虎はお昼にそのお弁当を食べ、代わりに食べなかった給食を持って帰ってきて、夜ごはんにしていたようだ。さらに、翌日の土曜日にはお友達と一緒にキャンピングカーショーに行くことになったらしい。楽しそうで何より。

 日曜日には、私の実家からfacetime。一応、「留守にするからよろしく」と伝えておいた実家の両親が、「ごはん食べにおいで」と誘ったのだろう。虎は情緒不安定になっている様子もなく、またまた、「虎のおへそ、ママ食べる?」などと言って笑わせてくる。

 そんなこんなで1週間なんてあっという間。「今から帰るよ」「迎えに行くね」と最後のやり取りをして、長旅の準備。「ナントFCのサッカーユニフォーム、虎用に買ってきて」という夫のリクエスト品と共に、ナント名物「LU」のビスケット、マルシェで買ったバターなどを詰め込み、重いスーツケースを持った時あたりから、「あれ? なんかおかしいな」という違和感があった

 そんな違和感は、だんだん咳となって表れ、シャルル・ド・ゴールのトランジットでは、免税店で買い物もせずにぐったり椅子に座り込んでいた。風邪かなぁ。フランスでは、マスクできなかったから(セキュリティーチェックが厳しいのと、誰1人してないので、できなかった)、うつったのかなぁ。