「寂しくて泣いちゃうかも」と私。「勇気を出してがんばって」と息子

 羽田空港から深夜に出発だったため、夜ごはんを3人で食べてから家を出ることにした。最後の晩餐(?)に選ばれたのは、ご近所の回転寿司。いつものように、虎はいくら、玉子、納豆巻きをバクバク食べる。「ママ今日から1週間いないよ」と言っても、分かっているんだかいないんだか。

 一緒にお風呂に入り、パジャマを着て、寝床に入る時間に私の出発となった。すでに眠くて目がトロトロの虎は、さっさとベッドへ。私のほうが寂しくて、ベッドまで追いかけていって「ギュー」。

 「虎としばらく会えないと寂しくて泣いちゃうかも」(母)

 「ママ、フランスに行っても、勇気を出してがんばって」(虎)

 どちらが親なんだか。それでもぐずぐずしている私に、虎はあえてふざけてくる。

 「虎のおへそがママのお口にビュ~!」(虎)

 などと言って、笑わせようとする。虎ちゃん、あなたのほうが大人だね。私に心配させまいとしたのか、とにかく早く寝たかったからなのか分からないが、すっきり気持ちよく送り出してくれたのは間違いない。

 行き先はフランスのブルターニュ地方に位置するナント。「ラ・フォル・ジュルネ」というクラシック音楽祭を取材するため。こちらの音楽祭はゴールデンウィークに東京国際フォーラムを中心に、丸の内でも行われるもので、音楽祭のPRのお手伝いを依頼されたのだ。

 このコラムでも以前書いたことがあるが、虎が初めて行ったコンサートも「ラ・フォル・ジュルネ」で、0歳の頃から毎年行っているので、わが家にもお馴染みのイベントだ。0歳から入れるコンサート、3歳から入れるコンサートなど子どもでも入れるのが特徴で、子どもを対象とした体験コーナーも人気。今年も必ず行くつもりなのだが、そのお話はまたの機会に改めて。