子供の発達段階に応じた制限・管理が必要
子どものインターネットやデバイスの利用制限・管理が話題に出ると、「個人的な内容は自分も見られたくない。子どものプライバシー侵害だ」という意見が出ることがある。保護者といえども、メッセージなど、子ども同士のプライベートなやり取り内容までを見るのは越権行為かもしれない。しかし、インターネットやデバイスを、知識がない子どもが自由に利用することが危険なのは事実。デバイスをセルフコントロールできない子どもに自由に使わせると依存状態になったり、危険性を知らないで使うと危険に巻き込まれたりする可能性が高くなる。
保護者が危険性を理解もしていない状態で子どもに自由に使わせることは、子どもを様々な危険にさらす行為だ。保護者は危険性について正しく理解し、子どもの年齢や発達段階に応じた危険から守る手立てを考えるべきだろう。
小学生など低年齢のうちは危険に対する知識がなく、デバイスを自分でコントロールして使いこなすことも難しい。フィルタリングや制限機能などで制限したり、ルールなどを作って使いこなす手助けが必要だろう。フィルタリングは単に子どもの利用を制限するものではなく、子どもが誤って危険・有害なサイトにアクセスする危険から守ってくれるものなので、必ず加入したい。
「どこまで管理・制限してもいいか」という質問も耳にする。これは一律に決められるものではないので、年齢や利用状況によって決めるしかないだろう。危険についての知識がない小学生など低年齢の子どもの場合は、ウェブブラウザなどで履歴をチェックしたり、検索状況なども見ておいたりしたほうがいいかもしれない。しかし、危険性についてある程度理解し、インターネットを使いこなすようになったら、危険・有害なサイトをフィルタリングなどで制限するにとどめ、徐々に子どもが自ら判断して利用をコントロールできるようにしていきたい。
フィルタリングや制限機能、ルールなどは、子どもの年齢や利用状況などに応じて見直していく必要がある。子どもとの話し合いのうえで決める必要も出てくるだろう。その場合も、子どものゴリ押しで決めることがないよう、保護者は子どもを上回る知識を仕入れておく必要がある。保護者にとってはハードルが高く感じられるかもしれないが、子どもが危険に巻き込まれないためには絶対に必要なことだ。この機会にしっかり学び、考える機会としていただければ幸いだ。