保護者の無理解、子どものゴリ押しが原因

 なぜ保護者たちは子どもの利用を制限・管理しないのだろうか。

 制限・管理には、ルールなど保護者自身によるものと、フィルタリングや制限機能などを使ったものがある。

 東京都青少年・治安対策本部の「平成27年度家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査報告書」(平成28年3月)によると、家庭内でルールを作っていない理由は、「ルールを作らなくても、子供が適正な利用をしているから」が60.3%だった。しかし、「ルールを作っても、守れないから」が19.0%、「ルールを作ろうとしても、子供とケンカになってしまうから」が6.1%、「話し合ってルールを作る時間がないから」が3.5%、「ルール作りが推奨されていること自体を知らなかったから」が2.1%など、保護者の無理解や子どものゴリ押しでなし崩しに決まっている例も多かった。

 同時に、フィルタリングに加入していない理由は、「インターネットの使い方について、子供を信用しているから」が52.9%。「子供がインターネット上の有害情報を見ないよう、保護者として適切に管理できるから」が19.2%、「フィルタリングサービスを利用すると、子供の日常生活に不便が生じるから」が10.1%を占める一方、「フィルタリングサービスの利用方法がわからない」が8.2%、「お金がかかると思った」が5.3%、「フィルタリングサービスの必要性がわからない」が4.9%、「フィルタリングサービス自体を知らない」が3.6%、「子供にフィルタリング設定をしないようせがまれて、仕方なく」が1.5%などとなっており、保護者の無理解が大きな理由となっていた。