病気について検索すると、不安が増してしまうことも

―― メンタルや生活面のケアはどのようにしたらいいでしょうか。

中村 がんの告知を受けると、患者さんは頭が真っ白になり、『がんイコール、死』と考えてしまいがちです。医療者に病気や治療について説明されても、頭に入ってこないし、理解できません。そのような大事な場面には、信頼できる友人や家族に同席してもらうといいでしょう。今は、医師の説明の際に、レコーダーを持ち込む患者さんもいますし、スマートフォンの録音機能を使う方もいます。後から冷静に聞いてみることができます。

 理解が十分でないときは、専門性の高い看護師や、ボランティアさんに相談してみてください。患者団体にアクセスして、その輪の中にいれば生活の助言をしてもらえて、心の安定につながります。乳がんは、治療しても10年は経過を見なければなりません。その後も年に1回は検診を受けるよう話しています。私たちのブレストセンターでは、患者経験のあるボランティアが相談に乗り、脱毛したときのアドバイスをする業者も入っています。腫瘍内科や形成外科、遺伝カウンセラーなど様々な専門家が集まっている。自分が通う病院やコミュニティーで、精神腫瘍科の医師や心のケアの専門家を見つけて、上手に社会的な資源を活用してください。

 また、インターネットの正確でない情報に振り回されないようにしましょう。病気について検索すると、膨大な情報が目に入り、不安が増すかもしれません。私たちはきちんとした治療のガイドラインが埋もれないように、検索サイトにお願いしています。