月経後の数日以内に自分で触ってみてチェックを

―― 検診は、どのような内容ですか。

中村 検診の方法は、上下・左右から板で乳房を押さえてX線撮影をするマンモグラフィーと、エコー(超音波)の検査があります。1~2年に1回は検診に行きましょう。自治体や勤務先で案内される検診は受けたほうがいいですね。マンモは、乳腺が発達している若い人の場合は見逃してしまうことがあります。エコーがより確実ですが、検査する人の技量に委ねられる、画像が残らないなどの欠点があります。現在、三次元のエコーのデータを保存する装置の研究や、乳腺の発達具合(濃度)を測定する研究が始まっています。

 また、自分で定期的に触っていれば、ある程度の大きさのしこりは見つけられます。毎月、月経後の数日以内に自分で触ってみて症状があれば放置せずにすぐに病院のエコーやマンモグラフィーで調べてもらいましょう。

―― マンモグラフィーと、エコーと、両方受けたほうがいいのかという議論もあります。

中村 ある調査によると、マンモ単独だと千人のうち約3人にがんが見つかりました。マンモとエコーの併用だと、千人のうち約5人。40代は併用したほうがいいものの、『税金を投入して死亡率が減った』とのデータはまだ出ていないため、国としてはっきりと併用の指針を示していません。検診で、マンモとエコーのどちらか一方にするか、併用するかは、それぞれの自治体に任されています。

 疑わしいしこりが見つかったら、針を刺して細胞や組織を採取し、顕微鏡でがん細胞があるかどうかを確かめる生検をします。さらにMRIやCTで、がんの進行度や広がり具合を確認し、治療方針を決めます。