別れはいつも突然にやってくる。何度も別れを経験してなお、こんな単純なことを書いてしまう。今日もフレシネを飲んで考えた。
ずっと一緒に仕事をしてきた、大切なひと
先日、大切な編集者を亡くしてしまった。彼女はまだ若く、病気がわかってからじつに3カ月、あっというまの出来事だった。
彼女とはわたしが初めて書いた小説を刊行するときに出会い、そこからずっと一緒に仕事をしてきた。わたしの癖で、「いつか、どっちかが死んだら」みたいな話も、笑いながらよくしていた。「**にはこれとこれをあげるから、すみやかに取りに来るように」と言えば、「じゃあ未映子さん、わたしはあれとあれ、あげるよ」みたいな感じで。まさかこんなに早くそのときが来るとは思ってもみなかった。
「未映子さん、弔事もすごいの頼みますよ。いいこと言ってね」「まかしとき、わたしは小説家にしてなぜかキネマ旬報新人賞女優、最高のパフォーマンスみせたる」とか言って。実際には、泣いて、どうしようもなくて、ぜんぜんちゃんと読めなかったけど、でも、そんなときが本当に来るとはね。今もうまく信じられない。