効率的に学ぶためには、師を選べ
阪部 「やると決めたら徹底して研究してやり遂げる」という勝木さんの姿勢に驚かされます。短時間で膨大な学びを得るためには、「学ぶ範囲を決める」こともさることながら、一流の先生を見つけることの大切さを教えられた気がします。NHKラジオ講座しかり、最初にかばん持ちを申し出たトレーダーの先生しかり、ジェームス・スキナーしかりです。
勝木さん(以下、敬称略) おっしゃる通りですね。学ぶのであれば最高の人に就いて学ぶべきです。そういえば、子どもたちの塾の講師は私が直接選びました。高い月謝を払って進学塾に通わせている娘に、大学を卒業したばかりのアルバイトの新米先生が就いたので、トップクラスの先生に変えてもらうように直談判したんです。同じ科目を習うにせよ、出来の悪い教師に教えてもらうのは非効率ですから。先生を変えさせるのは子どもにはできませんから、私が動きました。
―― 優秀な先生をつけることも親の役目だとお考えなのですね。勝木さんはお子さんに「好きなことをしなさい」と言い聞かせているそうですが、その前段階で子ども自身が「好きなことが何か分からない」ケースも少なくないかもしれません。その一方で、親は「子どもの可能性は無限大」という、ちまたでよく耳にする言葉を妄信して、できるだけ選択肢を広げることが子どものためだと言わんばかりにたくさんの習い事に通わせてしまうことにもなりかねません。こうした子どもの習い事や学習への投資について勝木さんはどのようにお考えですか?
勝木 たくさん習い事をさせるよりも、友達と遊ばせる時間をつくることのほうが大切だと思っています。なぜならば、友達との出会いの中から、自分が本当にやりたいことや好きなことと自然と出合えるものだと考えるからです。僕もそうでした。友達を通じて英会話に出合いましたから。