大学受験目前の息子と、志望校の過去問すべてに取り組んだ

―― 頼られたら、断れませんよね。何しろ、英語はお父さんが最も得意な科目なんですから(笑)。具体的にどんなサポートをされたのですか?

勝木 過去問題集をすべて買いそろえ、傾向と対策を研究することから始めました。そこから出題傾向の高い単語と熟語のフレーズを3000語抜き出し、表に日本語、裏に英語を記したカードにして「これだけやりなさい」と渡しました。そして1カ月、毎日3時間つきっきりで発音と併せて教え込んだんです。1月の塾内テストでは一気に点数が上がり、塾の先生もびっくりしていましたね。妻は古典が得意だったので、古典は妻に任せました。

 もともと世界史と国語の成績はよかったこともあり、英語の成績を挽回することで何とか無事、志望校に合格することができました。

―― たった1カ月の追い込みで国内最高峰の私立大学に合格したのですから大したものです。もしかしたら、その時間はそれまでの親子の空白を埋めるような濃密な時間だったのではありませんか?

勝木 そうですね。それまでの6年間、ほとんど会話らしい会話をしてきませんでしたからね。

―― 塾では勉強を教えてくれても、本人のやる気にまでは関与してくれませんからね。息子さんが自分から「助けて」と言うまで手を差し伸べなかったこともよかったのかもしれません。それにしてもすさまじい集中力だったと思います。

 勝木さんは先ほど、自身のことをコツコツ勉強するタイプだとおっしゃいました。確かに、京都大学の大学院で博士号を取ったり、大学院入試では英語で1位を取ったりと、何事も突き詰めて完璧を目指すタイプなのだとお見受けします。タイプは違えど、息子さんはそういう父親の背中を見て、何かしら影響を受けるようなこともあったのではないですか?

勝木 それはないですね。息子が生まれたときには既に英語はマスターしていたので、家で英語を勉強する姿は見せていませんから。

―― では勝木さんが父として日ごろから子どもたちに言い聞かせていることは何ですか?

子どもに一番伝えたい「本当にやりたいことをやれ」

勝木 人に迷惑をかけないこと。それから本当にやりたいことをやりなさい、ということでしょうか。

―― 「本当に自分のやりたいことをやれ」と子どもに言うのは、勝木さんご自身がこれまで「自分のやりたいことだけやる」というポリシーを貫かれてきた経験から出た言葉なのでしょうか? 英語だけでなく、在職中に米国公認証券アナリスト資格を取得されるなど、常にとめどなく溢れる向学心をお持ちですよね。そして、やると決めたことは最後までやり切るという強い信念を感じます。

勝木 いいえ。逆ですね。子どもに好きなことをしなさいと言っているのは、私自身が長い会社人生の中で自分が本当にやりたいことを「我慢してやってこなかった」からです。

―― それはすごく意外です。もう少し詳しくお聞かせください。

* 次回に続きます。

この記事の関連URL
勝木さんの3~6カ月程度で英語をマスターするための実践型英会話スクール「SmartEnglish®」
 https://kr21.jp/

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 https://smart-bizman.com/

(ライター/砂塚美穂、撮影/稲垣純也)