小学校高学年くらいになると思春期が始まり、子どもの心と体は大人になる準備を始めます。その変化は個人差が大きいために、周囲と比べて不安になったり、急激な変化に戸惑ったりすることも。思春期を迎えるに当たって、親はどのような準備やサポートができるでしょうか。医師や専門家に、性別ごとの体の変化や最低限押さえておきたいポイントを聞きました。今回は、女の子の初潮についてです。

 【小学校高学年のママ・パパ/病気・ストレス・体】
(1) 胸が膨み始めたら備えを 初潮の前に子へ伝えること ←今回はココ
(2) 思春期 ファーストブラ選びと異性の家族への配慮
(3) 男女に約2歳の差 思春期の息子の“反抗”と“性”
(4) 男児の身長ピークと低身長の原因 早熟過ぎも要注意

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

胸が膨らんできたら 初潮が訪れる目安と備え

 思春期は、心や体に様々な変化を経験する時期。一般的には女の子は10歳前後、男の子は11歳6カ月前後から始まり、女の子のほうが男の子よりも若干早く始まるといわれています。思春期の女の子の体は、エストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの影響により、次のような変化が現れます。

女の子に起こる主な体の変化

●胸が膨らみ始める
●体に丸みを帯びる
●体重が増える
●身長が伸びる
●脇の下や性器の周りに発毛し始める
●月経が始まる

 「女の子の思春期の始まりは、多くの場合まず乳房から発育していきます」とは、バースセラピストで助産師のやまがたてるえさん。

やまがたてるえさん。チャイルドファミリーコンサルタント、バースセラピスト、助産師。小6、小4の姉妹を育てながら、「命・心・体」をテーマに講演や子育て学講座、執筆など幅広く活動する。松戸市教育委員会教育委員。著書に『13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと』(かんき出版)、『ぽかぽか子宮のつくり方』(河出書房新社)など
やまがたてるえさん。チャイルドファミリーコンサルタント、バースセラピスト、助産師。小6、小4の姉妹を育てながら、「命・心・体」をテーマに講演や子育て学講座、執筆など幅広く活動する。松戸市教育委員会教育委員。著書に『13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと』(かんき出版)、『ぽかぽか子宮のつくり方』(河出書房新社)など

 「初潮が来る時期は個人差がありますが、一般的に10~15歳。胸が膨らみ始めたら、初潮を迎える具体的な準備をしましょう」

 体の変化が現れるとともに備えておきたいのが、「ナプキン」と防水機能の付いた「サニタリーショーツ」に加えて、使用済み下着を入れるための「ビニール袋」の3点セット。

 「最初からしっかりと経血があることはまれで、茶色っぽく出たり、ピンク色のおりもの状だったり。子ども自身も初潮に気付かずに1日を過ごしてしまうというケースも少なくありません。『お友達に知られたくない』と心理的にナーバスな時期とも重なりますし、3点セットはかわいいポーチなどに入れて、ランドセルのファスナー式ポケットの中に携帯しておくと、突然の初潮の訪れに慌てずに対応できるのはもちろん、お友達が困ったときにも助けてあげられます

 初潮の来るタイミングは遺伝要素などもあり、早めなのか、ゆっくりなのか、自分の思春期を思い返すのも一つの目安になる、とやまがたさん。

 「体格が似ていると特にその傾向が強いので、体格が似ているパパやママの家系の体験談も参考になります。実際に月経が来るようになったら、移動ポケットを利用したり、スカートやズボンの裏側に簡単な内ポケットを縫い付けてあげたりすると、ナプキンを使いたいときにすぐ取り出せて便利。3点セットを渡したタイミングで使い方をはじめ、取り換えるタイミング、昼・夜間の使い分けについても一通り教えてあげましょう」

 月経についての基礎知識は、いつ子どもに伝えたらいいのでしょうか。次のページからは、子どもへ初潮の知識を伝えるタイミングとナプキンの選び方、生理にまつわる悩みの対策について解説していきます。

<次ページからの内容>
・初潮の前に子どもに伝えておきたいこと
・子どもに合ったナプキンの選び方
・月経の悩み・痛み対策