焦っていても妥協しない! 見学時に保育をしっかりチェック

 谷本さんの園選びのポイントは、園の雰囲気や施設以外にも、子どもと先生がどのように接しているのかということ。そして、当時は子ども乗せのある自転車を持っていなかったので、バギーに乗せて通え、バギーを預けられるということだった。

 「園によってはスペースが無いから、バギーが預けられないところもありました。通勤電車にバギーを往復持っていくのは避けたかったし、どんどん大きくなっていく子どもを抱っこひもで連れていき続けるのも難しいと思っていたので、バギーは重要でした。最初は、バギーで歩ける範囲ばかり考えていましたが、それなら電車でもいいんだと気づき、保育園探しの範囲を広げたんです」

 最終的に谷本さんは、施設も先生も充実していた5駅先のB園に決めることにした。

子どもが気に入った認証園の温かさ

 そうして選んだB園には、2歳で認可園の空きが出るまで1年間通った。電車で毎日連れていくのは楽ではなかったが、その保育園に預けてよかったと今でも思っているという。

 「認証園とはいえ、既に近隣で3園経営している歴史も経験もある園だったんです。園長先生の方針もしっかりしていたし、それがきちんと先生達みんなに伝わっていることが感じられました。過去に大きな事故も無いと言っていました。使用済みオムツの持ち帰りも無かったので、電車で帰っても臭いの心配が無かったのは助かりました。

 若い先生ももちろん多かったですが、中にはベテランの先生がいて、娘はその先生が出迎えてくれると泣きやんで入っていくようになったんです。そういう安心できる先生が一人でもいてくれることは、親にとっても安心して預けられるポイントになりますよね」

 認証園Bは、就学まで通園できるが、子どもの大半は0~3歳。通っていた1歳児クラスは、1クラス12人程度で、先生は担任2人と補助1人の3人だった。園は3階建てのビルだったので、入り口が1カ所で混み合う分、玄関で荷物も子どもも一緒に受け渡しができ、親は靴を脱いだり荷物の準備をしたりしなくてよくてとても助かった。

 「朝や帰りなど人数が少ない時間帯は、合同保育で見ていることも多かったが、それも異年齢の交流になって子どもはお姉さん達といられることを楽しんでいました」

 さらに、週に1日は外国人の先生が来て、英語で保育に当たったり、リトミックなどもあったり、そういったサービスは認証ならではで、とてもよかったという。運動会やクリスマス会などのイベントもきちんとあり、家族で参加できたこともよい思い出になった。

認可に決まったお友達が次々と転園していく

 逆に気になったのは、途中で認可園に入れることが決まって転園してしまう子が多いことだった。「もしこのまま5歳まで通うなら……」と思うと、人数がどんどん減っていくのはさみしい気がした。また、通い始めの頃、靴下や下着が無くなることが時々あり、結局見つからないことも多かったので、そういった物の管理に不安になる時期もあった。

 しかし、娘の楽しそうな様子に、電車での通園も乗り越えられたという。