早くから保活(入園準備)に走り回っても、フルタイム共働きでも、保育園激戦区では認可保育園にすべて落ちてしまうことは、起こり得る悲しい現実。実際に、仕事復帰を目前に認可保育園の不承諾通知を受け取った、多忙なワーママ谷本さん(仮名)は「大好きな子どもと別れるのさえつらいのに、安心できる預け先が見つからない」と追いつめられた気分になったといいます。探し回った末、電車で5駅先の安心できる認証園に出合えた谷本さんの例を紹介します。

<DUALのムック『保育園に入りたい!2017年版』より、上中下3本の記事で紹介します!>
(上) 不承諾通知が来た 待機児童になったらすべきこと
(中) 認可保育園に入るまでの預け先 あらゆる選択肢を

認可園の不承諾通知 早く始めた保活も実を結ばない

 「あんなに一生懸命探したのに、書くだけムダだったんだ。もう入れればどこでもいいのかも……」
 2年前の2月、認可保育園の不承諾通知を受け取った谷本さんは、そんな思いだったという。

 それまでは深夜残業や海外出張もバリバリこなしてきたが、娘を出産してから、子どもと過ごす育児休暇中の日々は毎日新鮮で、とても貴重な時間だった。かわいい愛娘の成長を間近で見ることができた約1年。4月の職場復帰を前に、子どもと離れるのが寂しいと同時に、だからこそ安心して預けられる場所を見つけたいと、出産直後から保活(保育園探し活動)に取り組んできた。

 夫も年数回は、国際会議に出席する研究職。フルタイムの共働きなので、第6希望まで書いた保育園のどこかには入れると信じていた。

 書類を出した後、役所から一度電話が入った。

 「希望を出されている園の中に、18時半以降の延長の無い園があります。他の希望園は延長がありますが、もしここに決まっても通えますか?」

 見学した中で、延長は無いがきめ細かな保育が印象的だった私立の認可保育園があった。復帰後は3歳まで時短勤務が利用できるため、希望園に入れておいた。

 「もちろん、『はい』と答えました。3歳以降は時短が使えないとはいえ、印象のいい園だったし、何とかなるかと思って。連絡が来たということは、もうそこに決まりかけてるんだと思って、少しホッとして通知を待っていました」

 しかし、2月半ばに家に届いたのは、どこの園にも入れない「不承諾通知」だった。

日経DUALのムック
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