小学校に入学した途端に点数や数値で比較され、自信を失ってしまいがち
前回は、株式会社子育て支援の代表取締役・熊野英一さんに、アドラー心理学が考える子どもの自立の三要素である「勇気・責任感・協調性」についてや、小学校低学年の今だからこそ子どもの発達段階をチェックし、親子の関わり方を見直すことが大事ということを教えてもらいました。
熊野英一さん
今回は、小学校低学年のママ・パパが陥りがちな悩み別に、具体的にどう対処したらいいのか、熊野さんに聞きました。
「小学校低学年は『あなたらしくていい』ということを、寄って集って周りが言うことが大切な時期」と熊野さんは言います。
「小学校に入ると途端にテストや通知表など点数や数値で比較されます。さらに、友達が広がり、今まで自分が得意だと思っていたことも、もっと上手な子がいることを知り『まずい!』という経験をします。そのため、自分らしくていいと思うか、逆に自信を失ってしまうか、すごく大事な時期なのです」
「親はついつい他の子と比較してしまいがちですが、自分の価値観や過度な期待を絶対に押し付けないよう戒めて、その子らしさを認めるようにしましょう。親は、わが子の当たり前の良さをだいたい忘れてしまっています。改めてもう一度、出産直後に思っていたように、『ありのままのあなたでいいよ』ということを何回も声がけしましょう」
それでは、悩み別の対処法を紹介します。
【悩み①】子どもの性格を直したい
「子どもの性格を大きく分けると外向的、内向的とあります。一般的には外向的でないと大丈夫かなと心配するかもしれませんが、内向的でもいいのです。むしろ内向的な人ほど世の中を変えていることはいっぱいあります。アドラー心理学は、どんなライフスタイル、性格にも優劣はないと考えます。直すべきは性格そのものではなく、その特性を非建設的に使ってしまっている場合でしょう」
「例えば、引っ込み思案で内向的な子どもは、慎重で丁寧に物事にあたれるというのが長所。それがあまりにも度を越えて一歩も進めない、ウジウジしているとなると建設的ではありません。問題なく生活できているのであれば、その子のありのままを認めればよく、親の価値観を押し付けてもっと外向的になりなさい、と言う必要はありません」
「外向的な子の場合も、外向的でいなければいけないという脅迫観念で、答えが分かってなくても手を挙げている子どももいます。注目されていないと安心できず、しまいには注目されるためにいじめをしたり、わざと変なことをしたりと、悪い子であることで注目を集めようとする場合もあります。この場合も非建設的。『あなたらしく自然にふるまうことが大事』ということを親がしつこいくらい繰り返し言ってあげることが大切です」
次ページから読める内容
- テストの点を叱らなかったら悪い結果で満足しちゃわないの?
- 学校での過ごし方や友達付き合いが心配
- 子どもの言いなりになり続けると“ドアマット型”に
- まずは自分がニコニコハッピーでいる、ということに貪欲になる
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