誰も耕していない荒野を耕すのは大変。でも時代も追い風に
メディアに露出するようになったことで、投資家から声がかかるようになり、2010年に起業支援をしてくれるインキュベーターから1000万円出資をしてもらいました。
「世の中に返さなくていいお金を出してくれる人がいるということを初めて知って(笑)。サムライインキュベートの榊原健太郎社長が、2回目の面談で出資をしてくれることになりました。その場で知り合いにも声をかけてくれて、合計1000万円の出資。そのお金でウェブサイトをリニューアルし、初めて営業マンを採用、自宅近くに事務所を借りました」
その後、2011年にさらに資金調達をして事業を拡大。しかし、誰もやっていなかった事業には、やらないだけの理由があったといいます。
「誰も耕していない荒野を耕すのは大変でした。今でこそ民泊などシェアリングエコノミーと声高に言われるようになりましたが、当時はまだなかなか理解を得られませんでした。特に不動産業界は既存の商慣習に縛られることが多く、それを外れるものは主流になりにくい産業でした」
「けれど、少子高齢化が深刻な問題になり、不動産も流動化しないと回らない世の中になってきました。借り手が見つからないときに何もしないでおくのはもったいない、と地道に営業活動という名の啓蒙活動を続けました。その積み重ねと時代の流れが変わったことで、借りる人にも貸す人にも抵抗なく利用してもらえるようになったと思います」