弁当作りはクリエーティブな作業と捉えれば、楽しくなる

── お二人のお話を聞いていると、やはり、弁当作りを楽しんでいるから続けられているんじゃないかと思います。

渡辺: そうですね。楽しんで作ることが大事ですよね。

柏原: 自分も楽しいですし、あとは、子どもからの反応があるのがいいですよね。子どもが帰ってきて「今日の弁当どうだった?」と聞いて、「今日は全部、食べたよ」とか、「美味しかった」と言われれば、それだけでうれしいですから。

渡辺: 結局、弁当って、子どもとの大切なコミュニケーションツールなんですよ。親子の交換日記みたいなもんじゃないかなって。これを、ママだけに独占させるのはもったいないなって思ったりもしますね(笑)。

── たまに晩ごはんを作ることもあるパパでも、弁当作りとなると、なかなか踏み出せない人が多いと思いますが。

柏原: とにかく、やってみるといいと思います。10回くらい作っていると、だんだん要領が分かってきて、時間もどんどん短くなっていくでしょう。ボクなんか、最初は1時間くらいかかってましたが、最近は、30分くらいで作れるようになりました。

渡辺: ボクも、最初に作る時間は40分以内と決めて、それをクリアするように続けてきましたが、やってみると、本当に面白いですよ。お弁当って、ショーケースなんですよね。作った料理を、どうやって美味しく見えるようにできるか。それを考えながらお弁当を完成させるっていう作業は、本当にクリエーティブなことですから。

 「オレは毎朝、早起きをして、日本一クリエーティブなことやってんだ!」と思えば、もう、パパ弁当は楽しくてしょうがない(笑)。

 パパ弁当以外の洗濯や掃除などの家事でも同じなんですが、自分でやる時間を決めて区切っておくといいですよね。自分で洗濯をして、シャツなどパンパンとシワを伸ばしてからキレイに干して、掃除もする。時間通りにできたときに、自分で自分を褒めるんですよ。そうやって、自分はクリエーティブなことをやってるんだと思えば、なかなか楽しいもんです。

 要は発想の転換ですよね。嫌々やっていたら、何だって楽しくはなりませんから。そうではなく、何分までに掃除も洗濯もキッチリ、クリエーティブに全部やると決めて取りかかると、もう、クセになっちゃいます。達成感は半端ないですし、弁当をきれいに平らげてくれた日は、ビールも美味しくなります(笑)。

柏原: 確かに、ひと仕事終えた後のビールって美味しいですよね(笑)。

渡辺: 子育てって、実は意外と達成感を感じることができないんですよね。毎日、同じことの繰り返しですし、終わりのない連続ですから。だからこそ、お弁当を作るときには、1回1回作った後に、どれだけ達成感を得られるのか。その方法をいかに自分で見いだせるかがカギだと思います。

 弁当以外の家事でも、嫌々ではなく、クリエーティブなことをやっているんだと楽しみながら、達成感を感じられるように、夫婦で話し合ってやっていけばいいのかなって思いますね!

(取材・文/國尾一樹)