一企業の利益になるよりも、公益性のある仕事をしたい

 30代の半ばになり、その次のステップとして選んだのは、日本国際協力システムという外務省の外郭団体での政府開発援助(ODA)関連の仕事でした。

 「自分が共感できる、関心が持てる商品やサービスに携わりたい、さらに、それが一企業の利益になるよりも公益になるような仕事がしてみたい、と初めて思い、NGOやNPOに興味を持ちました。過去に途上国である中南米に駐在をして、いい暮らしをしている人も底辺で暮らしている人も見てきたので、いつかそういった人と関わりの持てる仕事がしたいと思っていました」

 チリから帰った後も、スペイン語の学校に通っていた西浦さん。英語、スペイン語を生かしながら、現地政府とのやり取りなど、発展途上国の支援をする仕事にやりがいを感じていました。

―― 後半では、妊娠を機に起業をすることになった経緯と仕事と子育ての両立について紹介します。

(取材・文/平野友紀子)