トークライブ「パパ弁当が日本を救う!」の模様をDUALで紹介しました。その続編として、パパ弁当エッセイ『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』の著書がある渡辺俊美さんと、娘が幼稚園の3年間、毎朝パパ弁当を作り続けた柏原光太郎さんに、改めておすすめのメニューや、おいしく弁当を作るためのコツなどについてお話をお聞きしました。2回に分けてお届けします。

<これまでの記事>
最初は下手でも大丈夫! パパも弁当作りを楽しもう
いつものパパ弁当には、男のこだわりが満載

食べること=生きること

日経DUAL編集部: お二人ともこれまでにたくさんのパパ弁当を作ってきていますが、晩ご飯も作ったりしていらっしゃるんですか?

柏原: 私は、家で作れるときは作っていますね。朝ご飯は毎日で、仕事が休みの日は晩ご飯も作ります。

渡辺: ボクも晩ご飯は、たまに作るといった感じですね。妻にも作ってもらいたいというのもありますが、ボク自身、料理は嫌いじゃないですから。どうしても今日は自分で作りたいというときには、自分で晩ご飯を作ったりしています。

左:渡辺俊美さん 1990年に結成されたヒップホップバンド「TOKYO No.1 SOUL SET」のメンバー。2009年には、福島出身のミュージシャンやクリエーターと共に「猪苗代湖ズ」を結成。福島県復興支援チャリティーソングを発表し、NHK紅白歌合戦に出場した。当時、高校生だった息子のために作ったパパ弁当エッセイ『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』上梓。再婚後、現在、2歳になる女の子の子育て中で、新たに第三子が7月に誕生予定。右:柏原光太郎さん スーパーダディ協会の発起人の1人でもある文藝春秋の編集者。「週刊文春」「文藝春秋」「オール讀物」編集部、文春文庫部長などを経て、現在は、Web事業部長として「文春オンライン」の立ち上げを行う。中学1年生になる娘のパパで、幼稚園に通う3年間、毎朝パパ弁当を作り続けた。娘の中学入学と共にパパ弁当作りを再開。パパ弁当の写真を自身のフェイスブックや、自ら主宰するフェイスブックページ「台所男子の会」、インスタグラムにて公開している
左:渡辺俊美さん 1990年に結成されたヒップホップバンド「TOKYO No.1 SOUL SET」のメンバー。2009年には、福島出身のミュージシャンやクリエーターと共に「猪苗代湖ズ」を結成。福島県復興支援チャリティーソングを発表し、NHK紅白歌合戦に出場した。当時、高校生だった息子のために作ったパパ弁当エッセイ『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』上梓。再婚後、現在、2歳になる女の子の子育て中で、新たに第三子が7月に誕生予定。右:柏原光太郎さん スーパーダディ協会の発起人の1人でもある文藝春秋の編集者。「週刊文春」「文藝春秋」「オール讀物」編集部、文春文庫部長などを経て、現在は、Web事業部長として「文春オンライン」の立ち上げを行う。中学1年生になる娘のパパで、幼稚園に通う3年間、毎朝パパ弁当を作り続けた。娘の中学入学と共にパパ弁当作りを再開。パパ弁当の写真を自身のフェイスブックや、自ら主宰するフェイスブックページ「台所男子の会」、インスタグラムにて公開している

── お二人に触発されて、これから弁当ですとか、晩ご飯を作ってみようかと思うパパに向けて何かアドバイスはありますか?

渡辺: カンタンに言えば、「食べること=生きること」ですね。これはよく言われることなんですが、ボクも本当にそうだなって思うんですよね。食べることに興味があるっていうことは、生きることにも興味があるっていうことだと思っています。

 そういう意味で、食を意識することで、料理を作ったり食べたりすることだけじゃなく、いろんな物事が変わっていくと思うので、男でも料理をするということをオススメしたいですね。

 食べるために料理をする。そのためには、スーパーに行って食材を選ばないといけませんよね。実は、料理を作るということよりも、食材を選ぶっていう行為そのものが、実は一番面白いんだと思っていて、その楽しさをたくさんのパパに知っていただきたいと思っています。

パパ弁当は、父子の手紙みたいなもの

── パパ弁当は、父と子の手紙みたいなモノだといった話が本のなかに書いてありましたが、お聞かせください。

渡辺: まさに、パパ弁当は子どもとの手紙みたいなものです。子どもとのコミュニケーションにおける、ひとつのツールだと思うんですよね。

 それは、子どもとの会話でなくてもいいし、「これ、パパが作ったんだよ」ってわざわざ言わなくてもわかり合えるというか……。弁当を作って持たせるだけでメッセージになるし、パパ弁当を介して、何かしら、ひと言会話するだけで十分なんです。毎日じゃなくても、たまにひと言だけ弁当について会話できればいい。

 「今日の弁当、どうだった?」と、たまに聞くだけでいいんです。「今日はおいしかった!」と言われれば嬉しいし、「今日のはちょっとおいしくなかった」だけでもいい。それだけで、弁当を介した父子のコミュニケーションになっているんですよね。

── 柏原さんは、娘さんが中学1年生ということですが、娘さんにお弁当を作ってあげることによるメリットってありますか?

柏原: 中学1年生ということで、右って言えば左と言うくらいの反抗期なんですけど(笑)、お弁当に関してだけは別ですね。例えば「明日のお弁当どうする?」って聞いたときに、翌日は半日授業だからお弁当はいらない日だったとしても、「明日はお弁当を食べて帰りたい」と言ってくれたりする。そういうときは、父親として、とてもうれしくなったりするわけです。

 ママが作るお弁当って、やはり、子どもの好きなモノを入れたいという発想になることが多いと思うんですよね。その気持ちはもちろん、分かるんですけど、それプラスで、何かしら、食の幅を広げさせたいという発想がボクにはあります。

 それは、たぶん、ボクが食べたい好きなモノを弁当に入れて、娘にも食べさせたい。好きになってもらいたいという意識が働いているんだと思います。自分が好きな料理を、娘も喜んで食べてくれたら、うれしいじゃないですか。

 そういった楽しみがあるので、パパ弁当というのはクセになりますよね(笑)。