ネット記事や売り手の情報に振り回されないで

 不動産業者に聞いても不安なあなたが次にすることは、きっと「ネット検索」や「周囲の人に聞く」などの情報集めでしょう。ネットの情報は簡単にアクセスできますが、信頼度という点では玉石混交です。

 ネット記事を見ても、「住宅ローンは借金だから、できるだけ借り入れは少ないほうがいい」という記事もあれば、「低金利だからできるだけ借りておき、手元のお金はできるだけ残したほうがいい」という記事もあるでしょう。また、金利をとっても、「金利が低いからこそ、将来を見据えて長期の固定金利」という人もいれば、「低金利だからこそ、その良さを生かして変動金利で借りる」という人もいます。

 そうなると頑張って調べたものの、情報の渦に巻き込まれただけとなり、結局は何が自分たちに合っているのかが分かりません。何を決め手に考えたらいいのか、誰に相談したらいいのかも分からなくなり、結局、相談先は住宅を売りたい不動産業者や、ローンをたくさん借りてほしい銀行、と振り出しに戻ります。

 でも、不動産業者や銀行は「売り手」という立場ですから、もう一度相談しても、自分たちにとって本当はどれがいいのか?という悩みは尽きず、また調べ、悩み……とストレスになっていくのです。

 毎日の仕事が終わってから、あるいは、週末ごとにこんな苦痛に向き合うくらいなら、思い切って、お金のプロである「ファイナンシャル・プランナー」を使ってほしいのです。

 ファイナンシャル・プランナーの資格には、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士(1級・2級・3級)と、NPO法人日本FP協会のCFP®(国際資格)とAFP(国内資格)があります。資格を持つ人には、銀行や証券会社、保険会社、不動産などの金融関連業界の人が多いのですが、特定の金融機関に所属しないファイナンシャル・プランナーを独立系FPと呼びます(FPは、ファイナンシャル・プランナーの頭文字をとった通称)。

 FPは、生まれてから亡くなるまでのお金に関する幅広い専門知識を持っています。そして、その専門知識をローンはローン、保険は保険、税金は税金というような「縦割り」にせず、住宅ローンを借りることでどのような保険の見直しができ、どのような税制優遇を受けることができるのか、などのトータルプランニングが得意です。

 FPは、相談者の希望や目的を把握したうえで、さらなる専門家が必要なときは、確定申告、相続税の試算や手続きは税理士、老後の年金や再雇用の働き方などは社会保険労務士、不動産を相続した際などの土地の手続きは司法書士、というように実務をつなぎます。そのため、お金に関するかかりつけ医ということで、「家計のホームドクター®」とも呼ばれています。

 FPのところに行くと、自分の求める情報や答えが手に入るため、お金のことで悩む時間が格段に減りますよ。