伝え方次第で夫婦の関係もスムーズに

 まず、コミュニケーションのきっかけとして、普段パートナーがやってくれていることに対する感謝の気持ちから伝えていきましょう。やってくれていることがないので言えない……という方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば、多少家が散らかっていても、何も文句を言わないでいてくれる、ということはありませんか?

 「散らかっていても、文句を言わないでいてくれてありがとう」「できていなくても、あなたは何も言わないからラクよ」など、まずは少しでも相手に感謝できる、というのが最初のステップです。それができて初めてこちらの「お願い」も伝わりやすくなります。

 せっかく交換してくれたおむつを怒ってやり直したりしていないでしょうか? 怒ってもすぐに気分を切り替えられるといいのですが、夫婦だと引きずってしまうことが多くなります。もし、嫌な言い方をしてしまいそうだな、と思ったら、「~して!」ではなく「~してくれる?」と語尾を上げる、というのもちょっとしたコツです。これは、パパからママに対しても同じこと。お互いに「ありがとう」「お願いします」のスタンスでいる、というのが夫婦のコミュニケーションにおいて、まずは大切なことです。

 そして、パパに何かを伝えるときには、「結論から伝える」ということを意識しておきましょう。

 「寂しい」という気持ちを伝えたいときに、「今日こんなことがあって、こうでああで……」と状況説明や理由から先に話してしまうと、一番伝えたかった「寂しい」ということがパパには伝わらなくなってしまいます。まずは「寂しい」ということを伝え、その後に、なぜなら……と話していくと、パパも理解しやすくなります。

 また、ママが傷つくような言動をパパがしてしまったときに、意外とパパには「そんなつもりはなかった」ということも多いものです。そんなときには、「これからはちょっと気をつけてもらっていい?」「こういう言い方をしてくれたほうがいいな」と代案を伝えていく、というのも、意識しておくとよいパパとのコミュニケーションのコツです。

 夫婦は、「ツーカー」なイメージがありますが、実はお互い分かり合うための努力をしていかなくてはいけない関係でもあります。余裕がなくなると、お互いに思いやれなくなっていくことも少なくありません。子どもの成長にともなって家族のステージも変わり、課題も変わっていきますから、その都度どういう家族になりたいか、どう役割分担するかを話し合えるようになるといいですね。

(イメージカット/鈴木愛子、吉澤咲子)