「待機児童」になったら、認可外保育施設はもちろん、ほかにどんな選択肢を考えればよいでしょうか。自治体から認可の「不承諾通知」が届いてから、4月からの預け先を決めるまでには時間があまりありません。前回の記事の通り(「不承諾通知が来た 待機児童になったらすべきこと」)、希望者が多い認証保育園は、それこそ「100人待ち」ということもあり得ます。ではほかにどんな選択肢を考えればいいでしょうか。DUALのムック『保育園に入りたい!2017年版』から一部をお届けします。

認可外の保育ママという選択肢がある場合も

 新制度になり、保育ママは家庭的保育に移行して認可になっていく方向にありますが、認可の準備が整わず、認可外の保育ママ(自治体の助成あり。東京都の場合は家庭福祉員という)が残っている地域もあります。認可がすべて不承諾だった場合、この認可外の保育ママも選択肢になります。

 保育ママは、自宅などで1人で3人までの3歳未満児を保育します。補助者が付けば5人の子どもを預かる場合もあり、これは認可の家庭的保育でも同じです。

 個人の保育ですので、保育の専門性に差があったり、保育者の体調不良やケガにより突然、保育を休まれてしまうリスクもあります。でも、家庭的な環境での保育が良かったという感想もよく聞かれます。

 なお、小規模保育や家庭的保育は認可なので、認可保育園と同時に自治体に申し込みをし、自治体が入園決定をします。認可外の保育ママは、自治体にもよりますが、直接保育ママに申し込んだり、認可の保育とは別の入園手続きになるのが普通です。

 認可外の保育ママに預けた場合は、認可外保育施設と同様、認可の入園選考で加点がもらえます。

認証なども全滅! いったいどうしたら…

 法律上は育児休業を延長することも可能です。それでは困るという人は、何とかして預け先を探さなくてはなりません。以下の案を参考に、自分にとって最善の方法を探ってみてください。

1. 職場までの経路で預けられるところを探す

 子連れ通勤になってしまいますが、途中駅で下車して預けたり、思い切って勤務先の近くの施設に預ける方法もあります。

 認可保育園では、住んでいる自治体以外の保育園に預けようとしても優先順位が極端に低くなってしまいますが、認証保育園などの場合は、認可保育園ほど厳しい制約はないようです。

 地域によっては、4~5月なら認証保育園はまだ空いているというところもありますので、広範囲に探してみてください。

2. 助成を受けていない認可外にも当たる

 ベビーホテルなど、助成金を受けていない認可外保育施設にも質の良いところはあります。

 ただし、利用者の払うお金だけで運営されているため、あまりに保育料が安いところは、どのように運営されているのか心配です。保育内容をしっかり確認する必要があります。

 例えば東京都では、「認可外保育施設を利用する際の留意点」を示し、東京都が立入調査をした結果を参考にするよう、うながしています。利用前に見学をし、運営状況や保育内容、保育の様子、設備、保育従事者数、あるいは園長や経営者など保育をしている人の保育方針なども聞いてみるようにとしています。なお「よい保育施設の選び方 十か条」(厚生労働省保育課)でも同様のことがうたわれています。

3. 実家に頼る…ただし「減点」対象になりうるので注意

 認可に入れるまで実家を頼ったという人もいます。ただし、祖父母といえども、毎日、0~1歳児の保育をするのはかなり負担が大きく、「これ以上見られない」と途中でギブアップされてしまった話もときどき聞こえてきます。

 祖父母に頼るのであれば、ファミリー・サポート・センターやベビーシッターの力も借りて、祖父母への負担が重くなりすぎないように配慮する必要があるかもしれません。

 また、認可保育園への入園を待機している間、「祖父母が保育できている」ということが入園選考で減点理由になる場合もあるので、注意が必要です。その場合は、祖父母が継続して保育できない理由(就労予定がある、健康を害している、保護者の送迎に無理があり続けられない)を明らかにする必要があるでしょう。

(本文/普光院亜紀 イメージカット/吉澤咲子、日経DUAL編集部)

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