日本の子どもは自信を持って取り組むことにものすごく弱い
子どもが小学校に入ると、自分のことは自分でしてもらいたくなり、ついイライラ、ガミガミしてしまうことも……。アドラー心理学の考え方に基づいた子育てのアドバイスをしている株式会社子育て支援の代表取締役・熊野英一さんは、そんなときこそアドラー心理学の考え方が役に立つと言います。
熊野英一さん
「アドラー心理学が目指しているものは、シンプルに言うと『人の自立』。子どもだけではなく、大人も含めたあらゆる人が自立して生きていく方法を追求している心理学であり、哲学的な要素もあります」
「『自立』という言葉を言い換えると、『幸せに生きる』ということにつながってきます。どんな親でも子どもが自立した人になってほしい、子どもが幸せになってほしい、というのは共通の願い。これに反対する人はほとんどいません。自立した人とはどういう要素を兼ね備えていて、どういう心持ちでいると、自立的かつ幸せな人生になるのか。これが明らかになると、親として何をしたらいいのか分かってきます」
それでは、自立した人というのはどういう人なのでしょうか? アドラー心理学では、自立した人には3つの要素があると熊野さんは言います。
「直感的に分かりやすいのが、『責任感』と『協調精神』。働いていると、たまに責任感のない人に出くわします(笑)。もちろん子どもにはそうなってほしくない。また、仕事や家事、育児も自分1人で成し遂げることはなかなかできず、通常人は、様々な人を助け、助けられて生きていきます。子どもが保育園や幼稚園に入ったり、あるいは兄弟がいたりすれば、そこで協調していくことが求められるのは当然でしょう」
「アドラー心理学で特徴的なのが『勇気』。勇気というと、“勇敢な”とか“力強い”というイメージがあるかもしれませんが、アドラー心理学では『チャレンジ精神』のことをいいます。最近の子どもは“私無理”“僕は嫌だ”など、諦めて競争しないことが増えています。日本人の子どもは他国の子どもに比べて、自信を持って取り組むことにものすごく弱いという明確な統計データもあります」
「諦めないで挑戦する、失敗を恐れずにやってみる、という意味での『勇気』が人生を切り開いていくにはとても大切。ここにアドラー心理学でいう『勇気づけ』という関わり方が求められています」
次ページから読める内容
- 小学校低学年は、子どもとの関わり方を振り返るのにちょうどいい時期
- 子どもが人格形成をする最終段階は10歳
- 子どもは簡単に親のことを嫌いにはならない。今日から変えればいい
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