入塾のタイミングに備えて、低学年のうちに身に付けておきたいこと

―― 受験のカウントダウンが始まり、親子で一致団結している高学年の部に比べて、低学年は希望する進路もそこに向かう学習のアプローチもまだ漠然としている人も多いと思います。いつ、塾中心の生活に切り替えるか、というタイミングも気になるテーマです。

小川 そうですね。低学年の層の方は、塾が実際にどんなカリキュラムで何をするのかについて、詳しく知らない方が大半です。低学年の部のセミナーでは、中学受験をすると何の力が付くのか、4年生以降のカリキュラムでこの部分が難しくてつまずきやすいというお話や、塾に入る前に知っていたほうが安心なことと絡めながら、幼児・低学年期の学習のメニューにどのように付き合えば後に違ってくるかというお話をします。

―― 3年生の1月・2月の入塾テストラッシュで、公文を習っているお子さんは先取り勉強で既に出題範囲を網羅しているため特別な準備が要らず、入塾テストでは強いのかなって個人的に思ったんですよね。通信教育や公文がその後の受験勉強とどうつながるか、どのようにシフトしていけばよいのか。そういった心構えも知りたいです。

昨年12月のセミナー会場の様子。会場では多くのパパとママが、小川先生・西村先生の話に熱心に耳を傾けた
昨年12月のセミナー会場の様子。会場では多くのパパとママが、小川先生・西村先生の話に熱心に耳を傾けた

小川 塾にもよりますが、3年冬の入塾テストにおいて計算が早いことは有利に働くといえます。低学年は、タイプによる関わり方のコツと幼児・低学年教育の付き合い方、中学受験で身に付く力、入塾前に知っておきたいことに重点を置きつつ、そういった疑問にもお答えしていきます。

 対する高学年のコースでは「受験生親の正しい行動」の部分に、よりじっくりと時間をかけます。親子関係の総論から、各論として2017年入試速報や最新の入試状況の分析から、求められる学習内容、そして備えておきたい知識的なこともお伝えします。高学年の場合は、6年生になって右往左往して学校選びがうまくいかずに困るということがあったり、もっと早くちゃんと絞っておけばもう少しいい学校に行けたのにという失敗があったりすると思うんですね。そういったことが起きないようにするため、“小6の12月になったときに後悔しない”学校選びのテクニックについてもご紹介します。2017年入試分析について、私たちがオープンに話すのは今回のセミナーが初めてになります。

個別事情に合わせて、アドバイス! 熱気最高潮の質問コーナー

―― 前回、特に高学年の部では、聞いていてドキっとしてしまうくらい切実で、固有名詞頻出の濃厚な質問が連発していましたね。質問をされた方からは「こんな相談にそんな角度で答えてくれるなんて!」「カウンセリング的な形で聞いてもらえるのが新鮮だった」と感謝の声をいただきました。

小川 質疑応答は大事だと思います。前回もかなり具体的なお話が出ましたもんね。今回も15分ほど取って、時間が許す限り、皆さんの質問に答えます。個別事情が含まれているとはいえ、他の人の質問・悩みとその回答を聞くことも、とても参考になるはずです。