社会人留学でアメリカ人のワーク・ライフ・バランスを取材

羽生 そのテーマとの出会いのきっかけは?

治部 社会人留学がきっかけでした。32歳の時、会社の留学休暇制度を利用して、1年間アメリカのミシガン大学に留学したんです。フルブライト奨学金で300万円ほど資金をいただきましたが、1年間無給だった分も含めると機会費用を含め、1000万円ほどの持ち出しになった計算です。それでも、それだけを払うだけの価値のある学びを得られたと思っています。

羽生 留学した先でどんな研究をされたんですか?

治部 アメリカ人のワーク・ライフ・バランスです。まさに今にもつながるテーマなのですが、子どもが二人以上いる管理職クラスの女性と配偶者を対象にインタビューを重ね、文献考査もやりながら、彼女たちがどのようにキャリアと家庭をマネジメントしているのかを取材していきました。

羽生 2006年頃のことですよね。今ほど「ワーク・ライフ・バランス」という言葉も浸透していなかった頃ですね。どうして、アメリカ人のワーク・ライフ・バランスに焦点を当てたのでしょうか?