親子の絆が深まり、子どもの視野も広まる海外旅行は、家族にとって貴重な体験。でもせっかくのバカンス・シーズンに、夫婦の休みがどうしてもそろわない…ということもあるのでは? 筆者の家でも、昨夏は夫がまとまった休みを取れず、恒例の英国旅行が中止となりかけましたが、6歳の娘にとってはベビーのころから5年連続で出かけ、今や何よりの“夏のお楽しみ”と化している旅です。現地での実践が、日本で英会話教室に通う原動力にもなっている部分もあり、そんな彼女に「今年はなし」とは言いにくい。それなら、と“母一人子一人”仕様に旅をアレンジし直し、決行とあいなりました。この経験を基に、親一人で引率する親子旅の良さと留意点を上下2本の記事に分けて、お伝えします!

『ハリー・ポッター』のロケ地の一つでもあるグロスター大聖堂にて。グロスターはロンドンから電車で2時間前後とあって、ロンドンからの半日観光も可能。年間を通して家族連れも楽しめる様々なフェスティバルやイベントが開かれており、町のサイトでチェックできる。<a href="http://www.thecityofgloucester.co.uk/">http://www.thecityofgloucester.co.uk/</a>
『ハリー・ポッター』のロケ地の一つでもあるグロスター大聖堂にて。グロスターはロンドンから電車で2時間前後とあって、ロンドンからの半日観光も可能。年間を通して家族連れも楽しめる様々なフェスティバルやイベントが開かれており、町のサイトでチェックできる。http://www.thecityofgloucester.co.uk/

親一人と子どもの海外旅のメリット

1 普段の旅より非日常感が増し、親子の絆がさらに深まる

 夫婦と子どもの旅行では、親の側に「パートナーも一緒だから大丈夫」といった安心感があるものですが、親一人の場合、子どもの保護者は自分一人。何かあったときに子どもを守れるのは自分だけ、という状況での緊張感と責任感は半端ではありません。

 しかしその一方で、子どもにとっては向き合える親は自分だけ、いわば独り占め状態なので、両者の距離はぐっと近くなります。見守ったり、おしゃべりしたりするうち、「いつの間にそんなおませな言葉を使うように!」など、発見は多々。

また子どもの側も、親の奮闘を見ていないようで意外によく見ており、荷物を持とうとしたり、見慣れないスペルの駅名も一生懸命読み上げて「あと2駅だよ」と教えてくれたりするなど、小さいなりにお手伝い。“小さな冒険”を共に乗り越え、無事に帰宅するころには、親子の絆がぐっと深まること請け合いです。

英国の田園地帯コッツウォルズの宿「オールド・スワン&ミンスター・ミル」(<a href="http://www.oldswanminstermill.co.uk/">http://www.oldswanminstermill.co.uk/</a>)で朝食。ボリューミーなイングリッシュ・ブレックファーストもビュッフェ形式で好きなものだけ盛り付けられるので、子連れにはありがたい。透き通った空気と小鳥のさえずり、窓から眺めるはちみつ色の石の家々。日本とはまったく異なる環境の中での食事で、親子の会話もより弾みます
英国の田園地帯コッツウォルズの宿「オールド・スワン&ミンスター・ミル」(http://www.oldswanminstermill.co.uk/)で朝食。ボリューミーなイングリッシュ・ブレックファーストもビュッフェ形式で好きなものだけ盛り付けられるので、子連れにはありがたい。透き通った空気と小鳥のさえずり、窓から眺めるはちみつ色の石の家々。日本とはまったく異なる環境の中での食事で、親子の会話もより弾みます

「オールド・スワン&ミンスター・ミル」でチェックイン後、クリームティー(アフタヌーンティーよりカジュアルなお茶)を楽しむ。重厚で静謐な居間でスコーンにクリームとみずみずしい手作りジャムを塗りながらいただく、まったりしたおやつの時間
「オールド・スワン&ミンスター・ミル」でチェックイン後、クリームティー(アフタヌーンティーよりカジュアルなお茶)を楽しむ。重厚で静謐な居間でスコーンにクリームとみずみずしい手作りジャムを塗りながらいただく、まったりしたおやつの時間