就職、転職、独立、そして、結婚、出産、育児……女性の人生はいくつものライフイベントによって彩られ、同時に多くの迷いも生まれるもの。社会の第一線で活躍する女性から、人生の転機とその決断のポイント、充実したライフ&ワークのために大切にしている価値観を聞く連載企画をお送りしています。今回は、保育士としての現場経験を活かし、日本で働く保育士の6割が閲覧する情報サイト「ほいくる」を立ち上げた雨宮みなみさんインタビューの後編です。インタビュアーは編集長の羽生祥子です。※前編『雨宮みなみ 子どもたちの“今”を大切にしたい』もお読みください。

遊びの幅が広いほど、保育の質の向上につながる

羽生編集長(以下、羽生) 保育士さんの仕事は、年間行事もこなしながら、1日のプログラムも進めていくという、本当に過密な印象があります。保育計画のなかでも「遊び」というのは大事な役目を果たすものなんですか。

雨宮さん(以下、敬称略) 大事ですね。子どもたちは、ほとんどすべてのことを「遊び」の中で体験して、学んで、獲得していくんです。実際、保育園で子どもたちが何をしているかというと、ご飯を食べて寝る以外の時間はすべて遊んでいますよね遊びの幅が広いほど、保育の質の向上につながると現場で実感していました。

 私自身が保育士新人時代によく思っていたのは「目の前にいる子どもたちを私が1年間受け持つのと、ベテラン先生が受け持つのでは、体験できる遊びの幅広さに違いが出るんじゃないか」という不安です。人生の土台を形成する乳幼児期に立ち会う身として大きな責任を感じていました。だからといって、自分自身が遊びの引き出しを増やすための機会が十分にあるかというとそうではなかった。だから、遊びをもっと共有する場を作りたいという気持ちが強くなって、サイト立ち上げに至ったんです。保育士たちがもっと遊びのノウハウを共有できるようになれば、保育そのものが豊かになっていく。すると子どもたちが育つ可能性も広がっていくはずだと感じたんです。

羽生 私自身は保育園の送迎生活を卒業して2年経ちますけれど、今思い出しても保育園というのは特別なエネルギーが満ちている場所だなと思います。たまに仕事で迷った時に「保育園児だったらどうするか?」と考えることもあるんです。友だちを心から愛しているところとか、本当に感心することがばかりで、保育園児に会うとエネルギーをもらえます。職業柄、わが子が育った後も保育園に出入りできるのはとてもラッキーです(笑)。

雨宮 へぇ~。でも、わかります。たしかに保育園は「エネルギーのある場所」ですね。

羽生 子どもたちにとっても心のよりどころになっていると感じますね。小学校に上がっても、中には中学生になっても、なついていた先生を頼ってくる子どもたちをよく見ますし。

雨宮 自分のことを丸ごと理解してくれる先生と出会えたんでしょうね。

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  • 年に1回、立場を超えて「保育」について話せる機会を作ろう
  • 声を届けたい保育士の一歩を応援したい

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