保育需要があるなら、もっと受け入れ枠を作ったほうがいい

DUAL編集部 編集部からも、一つ伺わせてください。昨年、日経DUALと日本経済新聞の共同調査をしたところ、自治体からは認可保育園増設に消極的な声も挙がりました。

塩崎 え? そんなことを言っているの? どうして?

DUAL 未就学児の減少が予想されるのに、箱だけ作っても将来の重荷になりかねない、どこまで増やせばいいのか需要予測が難しい、ということのようです。

塩崎 何言っているんですか。安倍内閣はそんなこと考えていないから、どんどん作りますよ。50万人分の受け入れ枠を作る方針に変わりはないし、事実として民主党政権時代の2.5倍のペースで作っているんだから

 私の知り合いにも、病児保育施設を新設しようと張り切っている方がいましてね、その方の話を聞いていても「預けられる環境が整えば、働きたいという人はいくらでも出てくる」と言うわけですよ。私もそう思いますよ。利用したいという方はまだまだいるので、もっと受け入れ枠を作ったほうがいい。なりふり構わず取り組んでいきましょう!

DUAL 大臣の力強い言葉に安心しました。

駒崎 これからもぜひどんどん仕掛けていってください。今日のお話で塩崎大臣が子どもの権利を主軸にして本気になって様々な改革を広げていることがよく分かりました。

塩崎 実はね、表彰されたんだよ。

駒崎 それは何ですか? 「表彰状 塩崎恭久厚生労働大臣  貴殿は時期尚早という数多くの反対にめげず、果敢なる奮闘をされ、児童福祉法を見事に改正に至らしめました。ここにその功績を称え、表彰いたします」と。表彰の主は「児童の養護と貧困の問題を考えるフォーラム参加者一同」とありますね。

塩崎 なかなかいいでしょう。

駒崎 民間に表彰されたことを厚労大臣が大いに喜んで自慢されているとは。いいですね!

塩崎恭久
厚生労働大臣。1950年生まれ。1975年東京大学教養学部卒業、1982年ハーバード大学行政学大学院修了。衆議院法務委員長、外務副大臣、内閣官房長官、拉致問題担当大臣などを歴任した。

(文/宮本恵理子 撮影/川田昌宏)