より親の負担を軽減するために考えていきたい

塩崎 おっしゃった通り、医療的ケアが必要な子どもや大人が増えていることは大きな問題です。今進めていることの一つに「データヘルス改革」というのがありまして、特別なケアが必要な人の情報をデータベースで共有しようという取り組みです。情報が共有されれば、緊急搬送でもスムーズに対応ができる。

駒崎 いいですね。

塩崎 ご提案いただいた訪問看護については、医療保険でカバーするものとしてどこまでを給付の対象とするかという意見もあります。文科省とよく相談してどの形がいいのか考えていきたいと思います。看護師の確保が必要であり、人材育成を進めていかなければならないので。

駒崎 今でも特別支援学校の一部には看護師はいますが、全部にはいません。ただ、すべての学校に看護師を配置するための人材育成となれば、それこそ何十年もかかってしまいます。それまでの段階的措置として、訪問看護を学校でもできるようにするのがいいのではないかと思っています。

塩崎 厚労省としても、保育園における医療的ケア児の受入方策を検討するために、来年度予算でモデル事業を実施しようとしています。人材育成もやってはいますが、より親の負担が軽減されるよう、文科省とよく相談していきたいと思います。

駒崎 単年度では支出が増えるかもしれませんが、子どもも必要な教育を受けられて、親もキャリアを継続できるとしたら中長期的には生活保護コストを減らせて税収増にもつながるのではないかと思います。