イクボス旋風を厚労省内、自民党内にも!
駒崎弘樹さん(以下、敬称略) お久しぶりです。国会召集前のお忙しい中、ありがとうございます。
塩崎恭久厚生労働大臣(以下、敬称略) ようこそ、大臣室へ。『日経DUAL』というのは、共働き育児中の世帯向け、つまり、二馬力で頑張っている若い方々が読むメディアなんだね。
駒崎 そうです。先日、塩崎大臣が「イクボス宣言」をなさったというニュースにも、ビンビンと響いている読者がたくさんいます。
塩崎 駒崎さんがFacebookで随分褒めて発信してくれているって、うちの息子が言っていたよ。「もっと駒崎さんに感謝しないとだめだぞ」なんて言われた(笑)。
駒崎 何といっても“大臣初”ですからね。
塩崎 宣言したからにはきちんとやらんといかんと思いましてね、前の月に子どもが生まれた職員を大臣室に呼んで、上司に当たる課長も同席させて、「育休取らなきゃだめだよ」というセレモニーもやっているんですよ。とにかくね、新しいことを始めるには“なりふり構わず”やらないと効果は出ませんから。まだまだ足りないくらいだから、どんどん広げていけと省内で指示を出していますよ。やるよな?(と側近幹部に)
厚労省幹部 はい。周知のためにホームページにも載せましたし、民間にも広がる取り組みを仕掛けていきます。発信力のある政治家も巻き込むつもりです。
塩崎 組織のトップが本気になって取り組むことが大事。そして、若い人に考えてもらう。
駒崎 するとチャンスにもつながりますしね。他の省庁にも広がっていくといいのですが。
塩崎 省庁はもちろん、党内にも浸透させないとな。自民党三役にも考えてもらいたいなぁ。
駒崎 おお、自民党にもイクボス旋風が吹くとしたら、日本の風景は随分変わっていきそうです。まさに「仕掛ける大臣」ですね。期待しながら注目させていただきたいです。
そして、今日お話をさせていただきたいメーンテーマに入りますが、塩崎大臣の最大の功績はやはり昨年の「児童福祉法改正」です。子どもの虐待から守るための方策として、これまで施設偏重だった方針を大きく転換して家庭養護重視へとかじを切った改革でした。子どもを保護し、愛情を与えながら育てる方法として特別養子縁組や里親も積極的に打ち出してきたというところには、どんな思いがあったのでしょうか?