【8】1日10分でも継続が大事
ワーママ&パパが取り入れるとなると、毎日45分間を費やすのは難しいという人も多そうですね。その場合、1日20分でも10分でもいいんです。大切なのは継続的に行うことです。
マインドフルネスのプログラムでは、ヨガが最も注目されているかもしれませんが、逆にヨガはポーズをとることにとらわれがちな面もありますよね。実はトラディショナルなマインドフルネスのトレーニングプログラムでは、座ること・身体を動かすこと・歩くこと・食べることなど日常生活に根差したことを行うのです。普段、無意識に行っている行為に意識を向け、一瞬一瞬の短い時間、一息の呼吸、体の変化、心の変化、自然体な自分を注意深く観察することにより、無意識から生まれるストレスから解放され、新たな自己への気づき、新しい人生へ自然と導かれていくと考えられています。
マインドフルネスを取り入れることで大事なのは、「心の安定。心が安らかな状態になること。落ち着いていられるようになること」です。
例えば短気な性格だと自覚している人なら、あっちで怒って、こっちで腹を立ててという状態に陥ったとしても、すぐに落ち着けるようになる。落ち着くのが早くなれば、落ち着いている時間が長くなりますから、余裕が出てきて集中力が高まるわけです。すると、こういうことをしなければならないということにフォーカスしやすくなります。
【9】時間の使い方にプライオリティーをつけられるようになる
落ち着いている時間が長くなることでの具体的な効果としては、「終わったことに対して反すうせず、引きずらずに切り替えて、できなかったことは物理的にできなかったこととして捉えることができるようになる」ということもあります。
日々の仕事でどうしても終えることができないと、それを引きずって子どものお迎えに行く、子どもの相手をする、といったことが起きてしまうかもしれません。でも、できなかったことを考えるのにエネルギーを掛けるのはもったいない。だったら切り替えて次の日にどういう順番で仕事を片付けるのかを考えるようにする。そのためにマインドフルネスが活用できます。
何をしなければならないのか、時間の使い方にプライオリティーをつけるには、「冷静に客観的に」という視点が必要ですよね。「あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ」という精神状態は穏やかではありませんから、呼吸も浅くなっているはずです。そうなると判断を誤って、細かいことで言えばタイピングミスも増えるでしょうし、添付ファイルを忘れたりもするでしょう。でも落ち着いていれば「ちゃんとしたかどうか」を確認して終えられます。つまり無駄がなくなるわけです。
【10】子育てにこそ使える!
わが家にも新生児を含め、3人の子どもがいます。第二子は2歳で、夜泣きもしますし自己主張も強く感情を爆発させることもあります。23時くらいに泣き出されたら、私も仕事で疲れているので、眠りたいし不快だなぁと一瞬感じて、怒りも出てきます。でも、この子が眠れないのには理由があるんだなとすぐに落ち着いて考えられる。そのときに、例えば抱っこひもをして暖かくして、ゆっくり「マインドフルネスウォーキング」というやり方で子どもの呼吸を感じ取りながら30分くらい歩き、子どもが落ち着いていくのを見ていきます。初めはだるいなとか、疲れているのになとか考えるのですが(笑)、それもだんだん落ち着いて、こうして抱っこして歩けるのも今しかない、瞬間を大切にして育てよう、向き合ってみようと感じられるようになると、疲れもなくなりじんわり温かい気持ちになって、ハッピーに感じます。気づくと子どもは眠っているので、そのまま寝かすわけです。
「子どもがなかなか寝ない!」と焦ったりしていると、子どもにそのイライラが伝わって余計眠れなくなるものですよね。結局、待つしかないんです。それをイライラしながら待つのか、受け入れて見守るのかで、大きく違ってくるでしょう。
相手をコントロールするのではなく、見守るというスタンスは、ビジネスでもプライベートでも変わらないと思います。
(ライター/山田真弓)