『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を上梓した水谷さるころさんと『キレる私をやめたい』(竹書房)が話題の田房永子さん。カラオケボックスで話しはじめたら、歌そっちのけでおしゃべりが止まらなかったというお二人。今回はそんなお二人が前編の「人気漫画家対談『夫婦の家事分担は永遠の課題』」に引き続き、夫婦間の「家事分担」問題についての対談の様子をお送りします。

おいしいものを食べたい「ごはん派」? きれいな部屋で暮らしたい「掃除派」?

水谷さるころさん
水谷さるころさん

日経DUAL編集部 日経DUALの読者は共働きの親御さんが多く、夫婦間である程度、家事は分担しています。でも、夫がこなす家事に対して感謝はしても内心不満を持っているというママも少なくないようです。洗濯物の干し方、畳み方、アイロンのかけ方など、細かいところにも火種があるようなのですが、その点、お二人はいかがですか?

水谷さるころさん(以下、水谷) そこは、みんなモメていますよね~(笑)。

田房永子さん(以下、田房) 私はもともとキレイ好きじゃなくて、埃とかあっても結構平気。

 中学生くらいの頃から、母親に「そんなんじゃ結婚できないね~」とか「エイコちゃんがお母さんになったら、子どもが病気になるよ」とか冗談まじりな感じでずっと言われてました。

 親からは「ダメダメ」と言われてきたし、自分でもどうしよう、と思ってきたけど、今はその性質のおかげで助かっていることもある気がしてます。たとえば、夫の家事のやり方に関して全く文句がなくて、いつも「すごいなあ」って尊敬できる。夫はルンバを毎日同じ時間に稼働させるんですけど、よくできるな、マジでエライなって思う。私、絶対ルンバとか1日で飽きるから。まず買おうとすら思わないし。

 夫の家事の仕方に対してイライラしたり、ダメ出ししちゃうっていう奥さんの話をよく聞くけど、そういうのはしたことないです。こうしたい、っていうのがまるでないから。

水谷 たぶん、相手の洗濯物の干し方や畳み方が気に入らないと怒る奥さんのメンタリティーは、「たらいに包丁を入れっぱなし」にした私を怒る、うちの夫のメンタリティーと同じだと思うんです(参照:前編「人気漫画家対談『夫婦の家事分担は永遠の課題』」

 自分がこだわりがある領域では自分の中のルールがあるので、最低限のレベルをクリアしていないとか、別のルールを持ち込まれたと感じると腹が立つわけです。

田房 確かに、分担したての頃は、私が夫によくあれやこれや怒られてました。

『キレる私をやめたい』田房永子著より
『キレる私をやめたい』田房永子著より

水谷 「ごはん派」「そうじ派」とか、互いにこだわりが強いほうがイニシアチブを取るのが平和な解決策だという気がします。

 私は食に対する執着心がないほうで毎日カップ麺でも生活できるんですけど、夫は「さすがにそんなの無理!」って。美味しいごはんを作るモチベーションが高いので、今やキッチンはすっかり彼のテリトリーです。

 私は「そうじ派」です。夫は目が悪いせいか埃とか全然気にしません! 私はもともと視力がよくて、今も裸眼で1.2はあるので、埃とか髪の毛とか細かいところまで見えてしまう分、気になるし、掃除機は毎日かけたい。

『結婚さえできればいいいと思っていたけど』水谷さるころ著より
『結婚さえできればいいいと思っていたけど』水谷さるころ著より