また、オランダであっても、すべての職場が理想的な働き方を実践できているわけではありませんし、職場でのトラブルもあるようです。実際、雇用主が知っておかなければならないルールや、雇用される側が知っておくと良いルールなどが多くあるので、トラブルを避けるためにも、アレックスさんのような労働法に詳しい専門家に相談をするのがオランダでは一般的なようです。
とはいえ、そもそも働きやすい環境づくりは、何のためなのか? 単純に残業を減らすためなのか? より生産性を上げるためなのか? あるいは家族や自分の生活のためなのか? それによって改善方法も違ってきそうですよね。
家族と過ごす時間を追求するために働き方を改善する――こうしたオランダ流の考え方で、働き方を改善していくと、理想の働き方が実現できるかもしれません。もっとも、こうなると、それこそ企業や働き方だけの問題ではなく、子育て環境や社会の仕組みなどとも連動した問題になってきそうですね。
日本だと「働く時間が減っても、家族との時間が増えるわけでもなく、やることがないから趣味づくりから始めないといけない」なんて声も、チラホラ聞こえてきますが、皆さんは、この働き方、どう考えますでしょうか?
(文・写真/吉田和充)