最も多く非行少年を出したのは1968年生まれ世代

 それはさておき、最下段の合計を見ると、1976年生まれ世代の刑法犯の総量は17万8100人となっています。繰り返しも含む延べ数ですが、私の世代は、10代の間に18万人近くの非行者を出し、世間にご迷惑をかけたことになります。

 対して1996年生まれ世代は、8万5536人と半分以下です。少子化により、子どもの数が減っていることも大きいでしょう。両世代の人口量を10歳時点の人口でみると、1976年生まれは184.1万人、1996年生まれは118.7万人。先ほどの非行少年の総量をこの数で除すと、人口当たりでみた、非行少年の輩出率が出てきます。

 1976年生まれ世代 = 17万8100人/184万1000人 = 9.7%
 1996年生まれ世代 = 8万5536人/118万7000人 = 7.2%

 威張れたことではないですが、私の世代のほうが高くなっています。凶悪犯は数が少ないので世代人口1万人当たりの数にすると、1976年生まれが7.1人、1996年生まれが7.2人です。こちらは、最近の世代のほうが高し。

 同じやり方で1962年から1996年生まれの各世代について、「悪」の総決算をしてみました。本当はもっと上の世代まで遡りたいのですが、統計の制約の関係上、1962年生まれ世代までが限度です。

 まずは、刑法犯全体の輩出率のグラフを見ていただきましょう。各世代から何%の割合で、非行少年が出たかを示しています。何度も繰り返す少年もいますので、分子の非行少年の総量は「延べ数」であることに留意してください。

 グラフは波状を描いていますが、最も多く非行少年を出したのは1968(昭和43)年生まれ世代で14.0%となっています。この世代は1980年代初頭に思春期を迎えますが、校内暴力が頻発するなど、学校が最も荒れていたころです。15歳になった1983年は、非行少年の出現率が戦後ピークになった年。それを主に担ったのが当該の世代でした。

 といっても、遊びやスリル目当ての万引きが大半で、当時はしりだったセルフサービス店に警備員を増員するなどしていた関係上、この手の初発型非行が多く捕まったという面はあります。この世代がおかしいなどと決めつけるのは間違いでしょう。