家庭内の「テレビでのスポーツ観戦」熱が子どもに与える影響は大きい

 というか、金子ファミリー、もともとスポーツ好きなんだな、きっと。嫌がる夫を小学生の時にサッカースクールに入れたという話も聞いたので、おそらく義父か義母のどちらかの好みでサッカーを習わせたのだろうし、「家では小さい頃から海外サッカーをテレビで見ていた」と夫も言っていたことからすると、家族の団らんの一部に「テレビでのスポーツ観戦」というのもあったのだろう。

 八塩ファミリーは、そうではなかったな。国立競技場や神宮球場、秩父宮ラグビー場に近かった割には。父親はよく週末にふらりと出かけて、「ただで入れてくれたから見てきた」とか言って(本当にただだったのかは定かでないが)、ラグビーや野球を見ていたようだが、母も姉も私も、それほどスポーツ観戦好きにはならなかった。やはり、女性優位の家族だったからかなぁ。父がスポーツ実況をテレビで見ていても、他の女3人はそれほどリアクションしてあげていなかったと思う。または、他のチャンネルに回してしまっていたかも。

 ロフトの布団でうつらうつらしながら、考えた。義母はエライなぁ、男たちの好みにつきあってあげて、ちゃんとリアクションしてあげて。男の子2人と女の子1人育てるとそうなるのかな。その温かい雰囲気のおかげで夫も、最初はイヤイヤだったというサッカーも好きになり、スポーツ好きになり、スポーツライターになったのかなと思うと、家庭環境って大事、としみじみ思う。虎にも、色々なものに興味持ってもらうためには、とりあえず母親がスポーツ観戦だろうが何だろうが冷めてちゃダメなのね。

 新年早々、ダメヨメは寝込みながら反省した。

 やっとのことで倒れて3日目の朝、起き出して少し胃に入れて、動き回れるようになった。使ったシーツを洗濯機に入れ、占有していたトイレを次亜塩素酸入りの漂白剤を薄めて消毒し、「立つ鳥跡を濁さず」とばかりに寝込んだ後始末をして帰宅の途についたのだった。