「セルフメディケーション税制」「スイッチOTC医薬品」という言葉、何となく目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。今年から始まったこの制度、市販薬をよく購入するファミリーは知っておいて損はなし! レシートを取っておいて翌年に確定申告すれば節税につながります。そこで、ファイナンシャルプランナーの前野彩さんにこの新しい医療費控除の特例について詳しく解説してもらいました。上下編に分けて、お届けします。

 「医療費控除は10万円から」――今年から、この常識が変わったことをご存じでしょうか。今までの医療費控除に加えて、新たに「スイッチOTC薬控除」というセルフメディケーション税制が誕生したのです。

 あなたがドラッグストアで日常的に買っている頭痛薬や胃薬。そのレシートが、来年の確定申告ではお金に変わるかもしれません。

1万2000円を超えたら使える!医療費控除の特例

 スイッチOTC薬控除とは、簡単にいうと、「市販薬の購入だけで年間1万2000円を超えたら、薬専用の医療費控除が使える」という制度です。

 スイッチOTC薬控除は、次の4つの条件をすべて満たした人が使うことができます。

① 健康診断や予防接種などを受けている人

② 購入した薬がスイッチOTC医薬品である

③ 1月1日~12月31日までのスイッチOTC医薬品購入合計額が1万2000円を超えた人

④ 翌年3月15日までに還付のための確定申告をすること

 条件を詳しく見ていきましょう。