勉強や読書など、小学校高学年の子どものモチベーションを上げるために、親ができることはあるのでしょうか。
親が興味を持たせたい分野があるなら、そっと本を置いておく
「7~10歳以降の子どもに本格的に勉強させる時期、多くの親が言ってしまいがちな、『勉強しなさい』は禁句」と脳神経外科医の林成之さんは言います。
「『自分で決めたことを自分で達成したい』という自己報酬神経群が発達してきて、『今、やろうと思ってたのに』と反発するようになるからです。自己報酬神経群の機能をうまく使って自主的、主体的に勉強させるには、子どもに自分で『こうしたい』と決めさせてあげましょう。『◯◯ができるようになるには、あなたはどうしたらよいと思う?』などと質問でうまく導いて、子どもの口から『私ならこうする』と言わせることが大切です。言葉というのはすごいもので、口に出すことで、自分自身に言い聞かせることができるのです」
もし親が興味を持たせたい分野があるなら、子どもの年齢に合った、該当ジャンルの子ども向け本を居間に置いておきます。
「例えば、理科系に進んでほしければ、子どもの周辺に図鑑や幼児向けの理科系の本だけを置いておけばいいのです。もちろん『読みなさい』『勉強しなさい』などとは言ってはいけません。子どもは目の前にあるものにたいてい興味を持つので、興味を持てば『すごいね』『面白いね』などと声を掛けてさらに興味を引き出し、『好き』に導いてあげればよいのです。『好き』になれば、子どもは自分から生活や遊びの中で自然を観察したり、実験したりし始めます。もう大人になりましたが、私の息子は小さいころから科学の本を何度も読み返し、橋から色んな重さや形の石を落としては沈み方が違うと一人で実験しているような子で、その後医学の道に進みました。いったん自分で興味を持てば、子どもは素晴らしい力を発揮するのです」