10代・20代で両親が末期がん患者になった経験から予防医療に関心を持ち、以後7年間サンフランシスコやニューヨークの大学・学会等で学んだ細川モモさん。2009年に日本に予防医療を普及することを目的とした「Luvtelli(ラブテリ) Tokyo&NewYork」を日本とNYに発足。2011年より5年間、計測器の大手メーカー、タニタとともにミス•ユニバース•ジャパンのファイナリスト指導にあたり、2012年には『タニタとつくる美人の習慣』(講談社)を出版。2014年に三菱地所と共に立ち上げた働く女性の健康を支援する「まるのうち保健室」は、“予約の取れない保健室”として話題になりました。
女性に特化した測って学べる「保健室」の取り組みが大阪や札幌といった地方都市へも範囲を広げ、雑誌等での連載も同時進行で7本と仕事が波に乗っている最中、2016年9月には第一子となる女の子を出産。取材当日は、オーケストラのバイオリニストを務める夫の翔平さんが3カ月の娘さんを抱っこひもで寝かしつけながら、同席してくださいました。そんなママになったばかりの細川さんが今年2月からの本格的な仕事復帰を控えた今、強く思うこと。そして、働き続ける理由とは?
経営者として、結婚後すぐに子づくり宣言!
今、私が理事を務めている「ラブテリ」の活動は、大きく3つあります。
1つは働く女性を対象にした丸の内にある「まるのうち保健室」、自分自身の経験を基に今年度から始めた産後のママの体のケアに特化した「親子保健室」、まるのうち保健室の取り組みを大阪や札幌など全国エリアに展開している「エリア保健室」です。
2つ目は、母子健康に関する基礎研究。妊娠前の女性の卵巣年齢(AMH)が高齢化する原因を順天堂大学と共同研究し、女子栄養大学とは高崎市で妊婦150名に対して妊娠中に栄養教育を行うことによって母子にどういうメリットが出るか、という研究成果を2016年の夏にサンディエゴで開催された国際学会で発表しました。3つ目はヘルスリテラシーを高めるためのオシャレで分かりやすいテキストやツール開発です。
代表としては、年間でやっていくことの道筋を立てたり、たまったデータを世の中に発信するために書籍を書いたり講演をしたり、行政や企業と健康的な環境づくりを進める活動をしています。
経営者として、妊娠・出産のタイミングについては考えました。ちょうど「まるのうち保健室」が始まった年に結婚。早めに子どもが欲しかったので、結婚したころから周囲には「子どもを近いうちに授かりたいと考えています」と宣言していました。経営者として早めに情報を共有しておき、社員に「代表はこの数年のうちに休む」というのを念頭にチームワークを組んでもらわないといけないと思ったからです。
とはいえ、「まるのうち保健室」が第一期でブレークして社会的注目度が高く、拡大の一途を遂げているところだったので休むタイミングがとても難しかったです。 実際に妊娠・出産は「第3期まるのうち保健室」の開催期間と重なり、初日以外は現場に立てませんでした。育休を見越して人を第2期のときから育てるなど、環境を整えるのに2年はかかりましたね。