仕事と子育て、大切にしたい喜びがどちらもある中、時には、子どもの病気対応で預け先確保や仕事の調整に寿命が縮むような思いをしたり、時間が限られる中で子どもとの向き合い方を試行錯誤したり、日々戦い続ける全力生活に弱音を吐きたくなることも。それでも、私たちが前を向いて働き続ける道を選ぶのはなぜなのか――。

1年の始まりの月にこそ立ち止まって考えたい大命題を、「ぜひこの人に聞いてみたい!」と憧れる、子育て真っ最中のハイパーな働くママに聞いてみました。それぞれの「働く理由」を支えに、キャリアも子育ても自分流に人生を切り開いていく5人の女性たち。仕事や家庭、子育てのスタンスや共働き生活の工夫など、「さすが!」と驚き、こんな方々でもそんな苦労が……と共感しながらも、心に響いた部分を前向きなヒントに、2017年の皆さんのDUALライフをより良く過ごしてもらえたらうれしいです。

【共働きママたちの5つのストーリー なぜ私たちは働くのか? 特集】
第1回 主婦を夢見たアナウンサーママが会社員を続ける理由 ←今回はココ
第2回 外交官から政治家転身 やりたいことのために頑張れる
第3回 細川モモ 夫婦で育休取得、意識がフルモデルチェンジ
第4回 グーグル執行役員ママ 音が聞こえるほどメリハリ生活
第5回 イオンリテール常務ママ 育児も仕事も120%で走り続ける

藤村さおりさん フジテレビアナウンサー。現在、アナウンス業務の他、新人研修など後進の育成にも携わる。小1の長女と4歳の長男の2児の母。時短勤務制度を利用し、自宅近くに住む藤村さんの両親の協力も得ながら、毎日異なる勤務時間帯の仕事と子育てに奮闘中。

 1996年にフジテレビに入社以降、「めざましテレビ」のスポーツコーナーや「FNNスピーク」などのキャスターを担当、ファッションブランドとコラボした商品プロデュースや月9ドラマ「ガリレオ」でテレビ局のインタビュアー役として出演するなど、アナウンサー業の枠を超えて幅広く活躍してきた藤村さおりさん。

 2010年2月に長女を出産、2013年1月に長男を出産し、2014年3月までの2度目の育休を経て、現在はフジテレビのアナウンス室の主任として、「FNNニュース(日曜)」「FNNスピーク(日曜)」「BSフジニュース」「ホウドウキョク×GOGO」などのアナウンス業務のほか、新人研修など後進の育成にも携わっています。そんな藤村さんが、働き続ける理由とは?

夫の言葉を後押しに職場復帰! 子どものころに抱いた憧れと現実は違うけれど

 第一子の長女は早生まれのため、4月のタイミングで保育園へすぐに入ることができず、預け先が見つかるまで会社を1年以上休むことになりました。仕事を続けること自体の迷いはありませんでしたが、働き方について相当悩みましたね。

 子どもと一緒に過ごすのはとても楽しいし、夫のことを満遍なくサポートしたい思いはあるけれど、私や家族にとってどの選択が幸せなのだろうと悶々とする日々。そこで、夫に相談したら、「自分は個人事業主でインカムが不安定だから、1本きちんと安定した収入があると助かる」と言われました。

 「子どもを育てながらフルタイムで働くのはヘビーだな」と思ったのですが、同時にこれまでのように働きたい自分もいました。それに、夫の言葉を後押しと捉えたら、働いたため家事・育児にカバーしきれない部分ができてしまっても、「あなたが働いてほしいって言ったから…」と、交渉の伏線になるな、と(笑)。

 私の母は料理も子育てもしっかりこなす専業主婦でしたし、私が入社した21年前は結婚している女性アナが片手ほどしかおらず、当時は出産したら専業主婦になるのが普通のスタイルだと思っていました。

 今でも覚えているのが、小学校の卒業文集で将来なりたいものに“主婦”と書いたこと。さらに、「旦那さんのワイシャツをアイロンがけする」とも書いてありました。

 でも、実際に結婚したら、仕事や日々の優先順位が高い他の様々なことに追われてアイロンをかける時間が取れず、夫が自分でクリーニング店にワイシャツを持っていくのが現実(笑)。実際、私がアイロンをかけるよりもクリーニングに出したほうが悲しいかなピンと仕上がりますしね。

 子どものころに抱いていた理想の主婦のようには、私はなれない。自分ではできなくても、家計の範囲内でよりクオリティー高く仕上げてくれるサービスもある。それなら、私は私のできる範囲で私なりの母親像に向かって仕事も子育ても頑張ろうと思い、会社員として働き続ける道を選びました。

<次ページからの内容>
・時間が不規則な仕事と2児のスケジュール管理に疲れ果てることも
・藤村さおりさんの24時間スケジュール公開!
・【お宝おうちゴハン写真】拝見 時短の工夫
・私を支える言葉は【be natural】 自然体で頑張り過ぎない
・【今年の抱負】キャリアを生かして、自分発のプロジェクトを立ち上げる