幼児期から音楽を学ぶことで人生が豊かに

――幼児期から音楽を学ぶのは良いことだと思いますか?

間違いなく、良いと思います。

私も、そして今は作曲家として活動する2人の姉も、幼児期から音楽を始めましたが、両親は音楽家に育てるつもりはまったくなかったそうです。両親はただ音楽が好きで、「聴くだけでなく自分で奏でられればもっと楽しい人生になるだろう」と、私たちをヤマハに通わせてくれました。結果的に、私たちは純粋に音楽が好きになり、3人とも音楽家になる道を自分で選んだので、「音楽で人生を豊かに」という両親の想いは叶ったといえるのでしょうね。

コンクールに向けて猛特訓する日々を過ごし、つらくなることもありましたが、やめたいと思ったことはありません。それはたぶん、両親のおかげ。「やりなさい」とも「やめるな」とも言わない。父はいつ終わるともわからないレッスンの間、ずっと車で待っていてくれたし、母は手作りのお弁当を届けてくれました。心が折れそうになったときは、映画を観に連れて行ってくれたり、トランプで遊んでくれたり。私が自由に自分の道を歩んでこられたのは、両親がいつも私を信じて、「後ろで支える」存在であってくれたから。とても感謝しています。

今、私が大切にしているのは、人として成長することです。音楽以外のことでも、普段の生活においても、成長するためにできることは何でもやろうと思っています。

人として成長することで音楽家としても成長して、60歳になったとき、一番いい音を弾けるようになりたい。これからも進化し続けて、いつか宝石のような音を出したい。それが一番大きな目標です。

(文/青木典子、写真/鈴木愛子、花井智子)

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