12月3日(土)、日経新聞社と日経BP社が東京ミッドタウンにて開催した「Woman Expo Tokyo Winter 2016」。そのなかで唯一、ワーママ・ワーパパに向けたプログラムとなったのが日経DUAL Forum 「共働き子育て家族のための 今どきの教育とお金セミナー」です。ファイナンスの専門家を迎え、子どもの教育や貯蓄についてDUAL世代ならではの不安や疑問を解決する具体的な事例を紹介しました。

子どもの教育と自分の老後を同時(DUAL)で備える

 プログラムの前半は、日経DUAL編集長・羽生祥子とフィナンシャルプランナー・山崎俊輔さんによる「日経DUAL編集部とファイナンシャルプランナーによるトークセッション」。

 まず羽生編集長より、日経DUAL編集部による調査結果をベースとした、習い事のトレンドや子どもたちの放課後の過ごし方・幼稚園から大学までにかかる教育費用などの具体的な数字が発表されました。例えば、公立と私立の学費の差はとても大きく、小学校6年間だけでも私立の方が4倍以上。もちろん、子どもに多様な可能性を見出すのは親の務めですが、実際の金額をみてみるといくらダブルインカムでもすべてを与えることは難しいことがわかってきます。

 そこで「お金と幸せを考えるファイナンシャルプランナー」として活躍されている山崎さんが登壇。専門的な視点から子どもの学費と自分の老後を同時並行(DUAL)で備える方法が紹介されました。

 共働きは専業主婦世帯と比べると経済的なアドバンテージがありますが、お金を貯める(増やす)=運用という点においてはきちんと考える必要があります。具体的には、高校・大学の入学金が必要になる時期を把握して、子どもが小さいうちから積立貯金を始めたり、相場の変動をきちんと考慮しつつ投資を活用することで「大学の学費の約半分を18歳までに準備できるのが理想」と山崎さんは語ります。

 さらに、教育ローンや住宅ローンについては、返済に退職金を使い、老後の資金が消滅してしまうということがないように、ローンの見直しや繰越返済するなど上手な管理が必須とのこと。65歳までに返済予定の人が多い住宅ローンに関しては「できれば60歳までの返済完了を目指して欲しい」と山崎さん。老後をしっかりやりくりできる上手なお金の運用ができてこそ、子どもが成人しても良い関係を築けるものなのです。

 老後を考えると、夫婦が揃って国民年金と厚生年金をもらえる共働きは世間の平均よりも高い収入となりますが、生活水準が高い家庭が多いので、油断は禁物。そこで、余裕のある老後を過ごすための方法としてiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用や節約の具体例が伝えられました。子どもの学費と老後の準備の両立について様々な手段が提案されたトークセッションは「自分の老後の確立は、実は、子どものためでもあると思えば頑張りがいもある」という山崎さんのメッセージで締め括られました。