WAAの成功に必要な、制度導入のカギ
良いことずくめのように見えるWAAにも課題はある、と島田氏は言う。
例えば、WAAを実践する社員が増えたことでコミュニケーションがとりづらくなったと感じている社員がいるということ。オフィス以外の場所で勤務している社員とのコミュニケーションは基本的にスカイプを利用しているが、相手の都合や状態が分からないためにコンタクトを取るタイミングに迷ったり、せっかく通信がつながっても通信状態が悪く、十分な会話ができなかったりといったことが起きている。
「『イントラネットやシェアドライブへのアクセスに時間がかかる』『会社用の携帯電話やWi-Fiルータを貸与してほしい』といった要望は多いですね。テクノロジーで解決できる点は解決していきたいと考えています」
こうした課題を含みつつも、現時点で一定の成果を残し、大手企業も熱い視線を注ぐWAA。この制度を多くの企業に広めていくに当たり、島田氏は最後に「成功の鍵」を5つ挙げた。
いずれも、島田氏の言葉を借りるなら“性善説2万%”で社員を信じ切ることが前提だ。心配ではなく信頼して、共に動き出そうと島田氏は呼びかける。
「今までと同じことをしていては、今までと同じ結果しか得られません。無意識に抱いている思い込みを捨て、皆さんで一緒に“当たり前”を変えていきましょう」
* 次回は、説明会後に開催された、充実のQ&Aタイムの様子をお伝えします。
(取材・文/藤巻 史、撮影/稲垣純也)