世界190カ国で400を超えるブランドを展開するユニリーバの日本法人、ユニリーバ・ジャパン(東京都目黒区)は、すべての社員がそれぞれのライフスタイルを楽しみながら自分らしく働き、生産性を高めることを目的として、新人事制度「WAA」を導入した(※)。WAAを通じてこれからの働き方を考えるとともに、理想的な働き方を実現するために企業と人事はどうあるべきかを5回に分けて探っていく。第1回となる今回は、WAA説明会より、「WAAとは何か」の説明を抜粋して紹介する。

<ユニリーバ・ジャパン>
世界最大級の消費財メーカー、ユニリーバの日本法人として1964年に設立。以来約50年にわたり、日本の消費者にラックス、ダヴ、クリア、ポンズ、アックス、リプトンなどのブランドを届けている。

WAAとは「働く場所や時間を社員が自由に選べる制度」

ユニリーバ・ジャパン本社で開催された人事制度「WAA」の説明会の様子。この日は120人が集まった
ユニリーバ・ジャパン本社で開催された人事制度「WAA」の説明会の様子。この日は120人が集まった

 2016年12月13日19時。ユニリーバ・ジャパン本社に、様々な企業の人事関係者が集まった。同社が新たに導入した人事制度「WAA」の説明会に出席するためだ。

 WAAを導入した2016年7月以降、その新しい働き方に興味を寄せる企業は多く、要望を受けて開催したセミナーは同年末までに7回を数えた。出席するのは主に他社の人事部の社員で、これまでに累計約240社、410人もの参加があったという。

 取材当日は、過去最多となる120人が出席していた。2017年3月には8回目を開催する予定で、参加者数が今後も増加していくことは明らかだ。昨今、社会問題として取り上げられることが増えた長時間労働、および長時間労働につながりかねないワークスタイルを見直し、健全に働きながら成果を上げる方法を模索しようとする企業が増えていることの証しでもあるだろう。

 ある人事担当者は、出席の理由を「社会的な背景や現実的な労働力不足を受けて、自分たちの会社でも働き方を見直そうという機運が高まっている。何らかのヒントを得て帰りたい」と語った。

※「WAA」導入…ユニリーバ・ジャパン・グループは5社から成る。WAAはこの5社全体に導入された。グループ全体の社員数は約500名、そのうちWAAを利用可能な社員は約370名。