「家族のルール」「保育園のルール」から従う習慣を身に付けさせる
子どもは生まれてきたときから自然に整理整頓や片付けができるわけではありません。それは、親や祖父母、保育園の先生など周りの大人たちとの関わり合いのなかで少しずつ育んでいくものです。
マナー講師の東節子さんはこう話します。「片付けが苦手な親にとっては耳の痛い話ですが、物が散らかった環境で育った子どもは、それが普通と感じてしまいます。また、『ちゃんと片付けなさいよ』と言うだけ、あるいは言ってはいるものの親が片付けている場合は、子どもの片付ける能力は育ちません。自分でも、お友達でも、次に使う人のことを考えて、きちんと『後始末・後片付け』をすると、取り出しやすくて次に使うときにとても楽であるということ、そして、きちんと片付けると自分も周囲も気持ちのいいものであるということを、自覚させなければなりません」
片付けの能力を伸ばすために、「ここは子どもの場所」というコーナーを作ってみてはいかがでしょう。
「床にレジャーシートなどを敷き、その上で自由に遊ばせ、壁には紙やホワイトボードシートなどを貼り、落書きOKとします。使い方は、大人がアドバイスを与えながら子どもの自由に使わせて、汚くなってきたら子どもと一緒に掃除をします。自分の場所ができ、使い方のアイデアも認められることによって、自主性が育まれます」(東さん)
一方で、みんなが快適に過ごせるように作られたものが「ルール」や「規則」です。
「子どもには、まずルールの大切さを教え、『家族のルール』『保育園のルール』など、小さい単位から従う習慣を身に付けさせましょう。大人が気を付けるべきポイントは2つあります。まず、ルールは子どもを巻き込んで一緒に作成することです。そうすると、大人が一方的に決めたものを押し付けるより、ずっと守りやすくなります。成長に従って子どもと話し合いながら内容を変えていくといいですね。もう一つは順守に一貫性を保つことです。ママはダメと言ったけれど、おじいちゃんとおばあちゃんはOK、という状態では、子どもは人を見て態度を変えてしまいます」(東さん)