夫婦にしか分からない傷とこだわりポイント
私と夫の間にも、ミイラがあります。もう10年以上もそれを抱えて生きてきました。犬も食わないよくある話です。いわゆる産後クライシス。それで済まされるような話じゃない、と実は私は思っているのだけれど。
私は危機を乗り越えるために、目の前のパートナーに向かって「どうか大人になってくれ、私たちはこの小さな人を一緒に守り育てる同志なのだから」と、言葉を尽くして説得しました。それから十余年、ことあるごとに夫の「思考の癖」に怒りを覚えつつも、彼の良い面にフォーカスし、子どもたちを一緒に育ててきました。手のかかる幼児期の育児では、家事全般をこなせる彼は共働き・共育ての心強いパートナーでしたし、子どもたちにとっては温かい、良い父親でした。
子どもたちが小学校に上がり、一息ついた頃、夫はいわゆる「中年の危機」に陥りました。俺の人生って?と惑い始め、悩んだ末に仕事を辞めたのです。私は、不安定なタレント稼業の上にいきなり片働きになったプレッシャーとショックから、夫を責めました。そのとき過去の傷から、また血が吹き出したのです。
だいたいさ……あなたは私が一番しんどかったときに、ひどいこと言ったよね。あのころ私は、生まれ育った家族との問題に苦しみながら、自分が築いた新しい家庭に心から幸せを感じていた。初めての育児と仕事復帰で、てんてこ舞いだった。なのに、あなたは私の理解者のふりをしながら、平気でハシゴを外したんだ。そして「赤ちゃんのお世話にかかりっきりで、慶子の瞳の中の白いキラキラしたものが消えたから」僕はグレたんだ、って言ったんだよね。
アホか!ポエムか!
次ページから読める内容
- 夫の一挙手一投足が気になり始めてしまった私
- 小島家に「家族法廷」が誕生した
- 「人生って何だろう?」「人生は、1秒だよ」
- 声を枯らして息子たちに伝え続けること
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